「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」 -5ページ目

「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」

潜在意識の働きで、あなたは「スーパーなあなた」になるのです。そのための素材・方法も実はあなたの手元にすでに多くあります。ここでは、あなたがそれを見出し、活用するお手伝いをいたします。胎児(あなた)は、胎児(あなた)の夢により進化します。

懐中温泉です、

 

歴史シミュレーションその38

 

 

毛利の三道併進策―

山陽道の軍、山陰道の軍、水軍。

 

それぞれが、今もじわじわと京への圧力

を強めている。

 

「上杉殿が北陸で押し返したことで、
 

我らの三道も『天下を決する道』の

一部になり得る」

 

隆景は、海を見た。

 

「中国の空から見る謙信は、
 

ただ北陸の軍神というだけではない。

 

 天下を二つに割った男だ。

 

 その割れ目の片方を、
 

我ら毛利が支えねばならぬ」

 

元春の「重さ」の考え方

 

吉川元春は、山のほうを見ていた。

 

「上杉殿が北陸にて織田を押し返した

なら、信長は、中国に全兵を割くことは

できぬ。

 

 これは、戦として見れば好機にござる」

 

元春は、山の道を指さした。

 

「山陰道を進む我らの軍は、
 

京の背を突くための道だ。

 

 上杉殿が北陸から京へ向かおうとして

おるなら、 我らはその背から、
 

『信長の退き場』を奪う役を果たし得る」

 

隆景が、静かに頷いた。

 

「しかし、
 その『好機』は、
 

ただ武の好機というだけではない」

 

「申されよ」

 

「北陸にて上杉殿が勝ち、
 

中国にて毛利が勝ち、
 

摂津にて本願寺が耐えれば、

 

 京の公家や寺社にとって、
 

『信長の天下』だけが全てではなくなる。

 

 上杉・毛利・本願寺―
 

この三つの名が、
 

京の座敷にも常に話題として上がる

こととなる」

 

元春の目に、
戦場ではなく座敷の光景が浮かんだ。

 

「京の者にとって、
 

天下とは『誰の名前を公家の帳に記すか』と

いうことでもある。

 

 九頭竜川で上杉殿の名が一度大きく

書かれ、中国で毛利の名が書かれ続ければ、
 

信長の名は、
いつか『一人だけの太字』ではなくなる」

 

元春は、少し笑った。

 

「戦場の槍の重さも、
 

座敷の筆の重さも、
 

今は同じくらい天下を揺らす、ということか」

 

「その通りにござる」

 

隆景は、瀬戸内の空を見上げた。

 

「上杉殿は、
 

越後・北陸・関東にて『国』を作りつつある。

 

 我ら毛利は、
 

中国・山陽・山陰にて『国』を守りつつある。

 

 その二つが、
 

京の座敷にてどう見えるか―

それもまた、反信長同盟の戦の一部だ」

 

瀬戸内の水面に映る旗

港を離れる上杉の船は、


瀬戸内の水面に小さな波紋を残していく。

 

その船尾には、上杉の旗が翻っていた。

 

「毛利殿から見れば、
 

上杉の旗は『北の盟友』の旗か」

 

船上で、上杉側の使者が、


瀬戸内を振り返りながら思う。

 

「それとも、
 いつか中国と北陸を分ける『境目』

の旗か」

 

答えは、まだ出ていない。

 

ただ一つ言えるのは、九頭竜川後、


毛利の視界に上杉の旗が入ったこと

そのものが、中国の空と水面にとって

新しい出来事である、ということだ。

 

瀬戸内の水面には、


毛利の旗と本願寺の旗と上杉の旗が、


それぞれの影を落としていた。

 

その影は、戦場だけでなく、
京の座敷にも、


遠く東国にも、
少しずつ広がりつつあった。

 

第二十話 本願寺の灯と影

 

 

摂津の空は、夏の雲を重く抱えていた。

 


石山本願寺の伽藍は、その雲の下で

静かに黒く沈み、門前には、長年の

籠城で鍛えられた門徒たちが、日々の

勤行と警戒を途切れさせることなく続けていた。

 

九頭竜川で上杉が信長を押し返し、


中国で毛利が三道併進策を進める中で、


ここ石山でも、空気がわずかに変わりつつ

あった。

 

 

ご精読ありがとうございました。

 

懐中温泉