今から30年ほど前に、シーラ・オストリンダ－
およびリン・シュローダーの共著『スーパー・
ラーニング』が日本語に翻訳されました。
現物をみると出版社は朝日出版社とあります。
朝日新聞社系列の会社だと思いますが、現在は
この名前での出版社は見あたらないようです。
著者たちも生存しているのかどうか。
なにしろ30年以上も前の著作であり、
その実験データは、まだ社会主義政権時代の
ブルガリアで得られたものだったりします。
が、この本で書かれていることは、その後
発展させられているものと見るべきでしょう。
ただし、ここで語られている潜在意識を用いた
記憶法、そしてそのベースとなるリラクセー
ションは、必ずしも正確に受け継がれている
とは言い難いところがあります。
このスーパーラーニングの優れたところは
あまりお金をかけずに実践し、効果を
あげることができるという点です。
すばらしいと思います。
しかし、商品化となると、むずかしさが
ついて回ったようです。
・リラクセーション法
・リラクセーションとともに行う呼吸法を
用いた外国語記憶術
・外国語マスターのための教材の作り方
この本では潜在意識の働きとともに上の
ようなことがわかりやすく語られています。
読者は実践にあたって、この本の代金以上
の費用はほとんどかけずにすませることが
できるのです。
しいていえば、語学教材をつくるときに
手間をはぶくために既製のテープ教材を
買うことでお金を使うことになる程度です。
他方、呼吸のリズムに沿って、4秒間で
記憶していく、というこの方法では、単語
や短い文章の記憶に最適ですが、単語だけでは、
外国語習得にはとうてい十分ではない。
そのような考え方がながらく支配的であった、
あるいは今でもそうかもしれませんね。
現地留学して、ネイティブに囲まれて身体で
覚えるのが一番。
これはそうでしょうし、私自身もそうでした。
英語やドイツ語に関しては。
その点についてはまたお話する機会が
あるでしょう。
が、今また、英語のみならず開発途上国の
言語を習得することでこれからのビジネスの
展開にきわめて有効であるという考え方が
少しずつ広まっています。