今回は、少々濃いめの話です。
「監査モード」という言葉をご存じでしょうか。「Auditモード」とも言います。
恐らく、企業の情シス部門の方などでないとご存じ無いのではないかと思います。
企業で、WindowsのPCを展開する場合に、複数台のPCにクローニングするための元となるSW環境を作成しますが、それを作成する際に、監査モードでサインインしてアプリケーションの追加インストールを行ったり、各種の設定変更を行ったりするものです。
一時的に「Administartor」アカウントを有効にして、これでサインインします。
一般ユーザーの方が監査モードでサインインしても、大して面白いものでは無いのですが、興味があれば、試してみることもできます。
中身がどうなってもいい、ワーク用のPCが必要になりますが。
一般に、新品のPCを購入して電源を入れると、初期セットアップが始まります。
この初期セットアップのことを「Out Of Box Experience」と呼びます。
ユーザーがPCを箱から取り出した直後の体験、といった意味なのでしょう。
略して「OOBE(ウービー)」といいます。
このOOBEの最初の画面(必ずしも最初の画面でなくても大丈夫なのですが)で、[CTRL]と[SHIFT]と[F3]のキーを同時に押します。
この操作により、PCが再起動して、自動的に「Administrator」アカウントでサインインします。
これは、Windows 10のInsider Previewをクリーンインストールした直後に試したものですが、サインインするとこんな画面が表示されます。
ひと昔前までは、この「CTRL+SHIFT+F3」のキー操作は、口頭でしか教えてもらえず、知っている人しか知らないし、下手に人に教えてはいけないものとして扱っていました。
それが、今では、Microsoft社のWebに普通に書いてあるんですね。
監査モードまたは OOBE にブート Windows
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows-hardware/manufacture/desktop/boot-windows-to-audit-mode-or-oobe
機械翻訳のページなので、意味を読み取るのは困難ですが、このキー操作で監査モードでサインインできることくらいは判ります。
また、ここでも「OOBE」という用語が使われていますね。
話は戻って、初期セットアップの際に、CTRL+SHIFT+F3のキー操作をすると、監査モードでサインインすることができる訳ですが、じゃあ、PCを買ったばかりの時じゃないと出来ないじゃん、と思われるかも知れません。
普通はそうなでしょう。
でも、Windows 10は、誰でもクリーンインストールするためのインストールイメージを入手できますし、OSの機能でOS環境を初期化して、初期セットアップから再開させることも出来ます。
「ワーク用のPCが必要」というのはそういう意味で、まっさらにしても問題無いPCがあれば、簡単に試すことが出来るのです。
まあ、普通のユーザーは、そんなことをやってみようとは思わないでしょうが。
ちなみに、Homeエディションでもこの操作が有効なのかどうかは試したことが無いので判りません。
恐らく出来るのではないかと思いますので、興味のある方がいらっしゃたら、試してみてはいかがでしょうか。
でも、これが出来たからと言って、何が嬉しいというものではありません。
おしまい