かつ丼は、私の中でかなり好きな食べ物のジャンルです。
寿司、うなぎ、そば、ラーメン、餃子などと同じレベルで好きな食べ物です。
但し、好きである分、食べてみてあまり美味しくないとよりへこみます。
なので、ここのかつ丼は美味い！と判っている場合でないと、基本的には食べません。
つまり、食べる回数としては、それほど頻度は高くありません。
かつて、私にとってのベストのかつ丼は「銀座梅林」でした。
ベストのかつ丼と言うよりも、東京周辺で食べられるものの中で、一番うまいものである、という位置付けだったのです。
「銀座梅林」は暫く前に仮店舗に移転しました。と言っても銀座の中で、従来の店舗にもほど近い場所です。
半年ほど前に、その仮店舗に初めて行って、かつ丼を食べてみたのですが、残念ながら、かつて感じていたような感動を覚えることが出来ませんでした。
私の味覚が変わったのかも知れません。
ただ、以前に感じていた、丼のふたを開けた時にふわっと香る香ばしさや、たれの中に染み出ている豚肉の美味さなどが全く感じられなくなっていました。
私はこれには、結構へこみました。
自分が信じていた、東京で一番うまいものが無くなってしまったのです。
ちなみに「銀座梅林」はJR秋葉原駅構内のフードコートでも味わうことが出来ます。
但し、ここのかつ丼の味は、最初から本店とは異なるものでした。
美味いことはうまいのですが、取り立てて言うほどのものではありません。
そして勿論、「ゆで太郎」のかつ丼が、かつての「銀座梅林」と同じくらいに美味いと思っている訳では全くありません。
チェーン店のおそば屋さんで食べられる、リーズナブルな値段のかつ丼としては、比較的ちゃんとしている、と思っているだけです。
そして、今回「ゆで太郎」に足を運んだ理由はもうひとつあります。
Y軒で、「味噌かつ煮定食」を食べたのです。
普段は780円の味噌かつ煮定食がキャンペーン期間中は490円になる、という値段の安さに釣られました。
もともと私は、かつを甘い味噌味で食べるのはあまり好きではないのです。
でも、そんなに外すことは無いだろうから、たまには味噌煮でもいいだろう、と思ったのです。
結果、またしてもへこみました。
味噌味がいまいちなのは、好き嫌いだから仕方がありません。
ただ、かつ自体に、肉感が感じられないのです。
これ、ホントに豚肉を揚げたものなの？と疑問に思うようなものでした。
以前に食べたアマノフーズのフリーズドライのカツカレーの方が、かつに肉感が感じられたくらい。
ああ。おれはこんなかつを食ってしまった。誰にだか判らないが、なんだか凄く申し訳無い。
豚肉という食材に対して贖罪しなければならない。
その思いが強くなり、「ゆで太郎」のかつ丼を食べることにしたのです。
当初は、店舗で食べるつもりだったのですが、珍しく息子が昼前に戻って来る、というので、息子と嫁さんの分の昼飯と合わせて、かつ丼を持ち帰りにすることにしました。
「ゆで太郎」でかつ丼のテイクアウトが出来るかどうか定かではなかったので、事前に店舗に電話して確認をします。
「かつ丼ってテイクアウトできますか？」「はい。できますよ。」「あっそうですか！じゃああとで伺います。」
いそいそと車で店舗に向かいます。
「ゆで太郎」に行くこと自体が久しぶりだったのですが、多くの飲食店と同様に持ち帰りメニューにも積極的に取り組んでいました。
丼ものメニューだけではなく、冷たいおそばや、そのトッピングなども持ち帰りが出来るのだそうです。
実は、ゆで太郎のそばもまあまあ好きだったりします。
軽い気持ちでそばを食べたい時などには向いていると思いますので、今度はそばの持ち帰りもいいな。
ちなみに、息子は「たまごサンドが食べたい」というので、セブンイレブンで嫁さんの分とともに以下のラインナップを揃えました。
そしてこちらが私のジャンボかつ丼640円。
大盛りという意味ではなく、普通のかつがでかいのです。
ふたを取ると少々汗をかいていらっしゃいます。
紅しょうがが要るかどうかは別として、かつと玉子とじの感じは、実に王道のカツ丼感が出ています。
こんな時、日本人ならだれでも、切れ目の玉子とじをアップにしたくなりますよね。
実食！
うん。美味い。オーソドックスに美味い。
もうちょっと甘みが強くてもいいかな。でもいい。
肉がちゃんと肉なところもいいじゃないか。えらいじゃないか。
別の方から聞いた情報なのですが、「ゆで太郎」のかつ丼は、店舗によって、案外味のバラツキがあるんだそうです。
実は私も、もう一店舗、別のお店でかつ丼を食べたことがあるのですが、美味しくはあったものの、なんかいつもの店の方が美味いような気がする、とは感じました。
なので、私のゆで太郎かつ丼理論は、どこでも通用するものではないのかも知れません。
いずれにしても、Y軒での味噌かつ煮定食によるへこみは、見事に復活しましたーー！
おしまい