土曜日、バイトまでの時間を持て余していた私は、大学近くの海鮮丼屋に行くことにした。
たまに行くお店だけど、まじでいつ行ってもお客さんがほとんどいない。
その時も、土曜のお昼時だというのに、広めの店内には私のほかに二組だけ。留学生か観光客か分からないがどうやら英語ではない言語でしゃべっている二人組と、一人で来たらしいおじいさん。
券売機で「本日の二色900円丼」のチケットを買い、店主に渡すと、「今日、三色にできますよ~」と言われ、迷わず三色に変更。
セルフサービスのコーナーにある魚の漢字がたくさん書かれた湯呑みにあったか~い緑茶を注いで待機。
厨房前のカウンターに座ると、中の様子がよくわかる。
スタッフはいつも二人だけ。多分、夫婦なのかな?奥さんのほうはずっと仕込みをしていて、配膳などは夫がやっている。
本でも読んで待っているとすぐに料理が到着。
海鮮どーーーん!!!!
その日はサーモン、つぶ貝、マグロの三色丼。思い出しただけでお腹空く。
一人なので、ゆっくりじっくり好きなように堪能する。ワサビを醤油に溶かしてかけて、米とサーモンを一緒に!
うわーおいしい。
米はふつうサイズにしたのに結構ボリューミーでお腹がいっぱいになった。
これで900円って。お得すぎる。
こんなにいいお店なのにいつも人がいないから心配になる。
たまに彼氏と二人で来ては「潰れないでほしいなあ」と言い合っている。
でも、バズらないでほしいなあとも思う。
大学近く、学生向けの値段のおいしいボリューミー海鮮丼がバズって観光客がごった返すようになっちゃったら、我々学生は気軽に行けなくなっちゃうんだから。
しかもスタッフ二人しかいないんだから、お店回らなくなりそう。
いきなり大量に押し寄せてきた観光客に「オペレーションが悪い」など言われたらそんなの見当違いだ。
まあ考えすぎだとは思うけど、日本のあちこちでこんなことは起こっていると思う。
地元の人が通うゆるいお店だったのに、意図せずSNSでバズり、急に敷地の外まで大行列ができ、スタッフはてんてこまい、さらに周辺の人からは「列が邪魔」、利用者からは「待ち時間長いしスタッフの対応が悪い」などと言われる始末。
そんなお店をネット上でだが見たことがある。
SNSでのバズりがお金に直結する時代だが、バズりって目的じゃなくて手段だと思っている。
バズって有名になって人前に出る仕事がしたいとか、いっぱい稼ぎたいからPRでお金がもらえるように知名度を上げたいからバズりたいとか、はたまた承認欲求を満たしたくて、他人に自分を見てほしいからそのためにバズりたいとか。
目的の手段としてバズりが不適切な例だってたくさんあるだろう。
私が中学生、高校生の間にSNSは急速な発展を遂げ、ネットリテラシーの教育が追い付かないまま大学生になってしまった。
でも、物心ついたころからスマホに触れてきた今の世代は違うのだろう。
これからのSNS社会がどうなっていくのかもちょっと面白そう。
海鮮丼、また食べに行こ。