火水霊祭では
大切なお役目を頂戴しておりました。
それは御詠歌です。
火水霊祭は三界萬霊供養のためでもあります。
御詠歌はいくつかに分けられます。
例えば
祖師の御詠歌。
供養の御詠歌。
修行の御詠歌。
という感じです。
先生方と相談して
決まったのが《密厳国土和讃》
歌詞が素敵なのです。
先生方が大切に想われている事が何なのか…。
分かりますね
御詠歌の節は独特なので
歌からは聞き取りにくいと思います。
今回は流れるようにではなく
滑舌よく聞き取りやすいように意識したつもりですが
歌詞を書き出しておきますね。
一
土より出でて美わしく
濁りに染まぬ白蓮の
清き尊きその香り
大地ぞ花の母なれや。
二
悟りの道に入りぬれば
怒りも欲もさながらに
遍く照らす慈悲の色
仏ぞ人の精なれや。
三
み仏居ます現世は
そのまま永遠の春にして
小鳥の歌も法の声
是ぞ密厳国なれや。
火水霊祭の次第の始め
鐘七反の後に
御詠歌から始まりました。
詠題の最後の音から
一気に高い《ド》へ上がってはじまる密厳国土和讃は
初級の課題曲でもあります。
私も大好きな御詠歌です。
最初の高さはドですが、
高めで行くか低めで行くかは
その時にならなければわかりません。
今回は
阿息観にて得た丹田に繋がりやすい《ド》で
出出しは決まりました。
御詠歌のあと、次第は続いていきます。
久しぶりの正座に若干の不安がありましたが
峯龍先生に整えていただいたので大丈夫でしょう。
供養の段が進みます。
その後、神道護摩へと次第は進みました。
いよいよ火入れです。
供物をいれていきます。
お迎えしたご本尊さま、諸天善神等へのお供物です。
『ようこそおいで下さいました。
どうぞ受け取ってください。
お召し上がりください』と
火に乗せてお届けします。
それから
お護摩に護摩木を入れていきます。
皆様の祈願が成就しますようにと
種字を添えます。
そして
なるべくまっすぐに三角錐型に火が上がるよう
調整しながらくべていきます。
たくさんの護摩木を、入れるその間、
般若心経が繰り返し繰り返し続きます。
もしかすると
''般若心経をこれだけ続けたのは初めて''という方も
いらっしゃったかと思います。
私のおすすめの密教行者さんの漫画で
口でお経を唱えながら、頭の中で光明真言を唱える。
という場面が出てきます。
私も最初はえっ〜!?!と思っていましたが
出来るようになるものです。
習得するのにコツがあるのを見つけましたよ
それには、
口が覚えるまで唱え続けること。
なのです。
御護摩などの助法を任していただいたからには
火のコントロールも大切な役割です。
火は火天様やお不動さまがたが司りますが
火の勢いが落ちてくれば
風天さまのお力をお借りし
また、
火の勢いが強すぎれば水天様のお力をお借りします。
お護摩の最初は火天さま。
途中は般若心経を唱えながら
頭の中では、水天さまの御真言をおとなえしました。
般若心経を何度も何度も繰り返し唱えることで
口に任せられるようになってきます。
すると頭では別の事を唱えられるようになります。
最初は、頭に文字を浮かべて
それをみている感じですが、慣れるに従って
誦めるようになりますよ。
般若心経を読誦することも立派な修行であり
お勤めです。
ですから、一日一回と言わず
一日二度三度と続けてお唱えすると良いです。
お勧めは10回、20回と
連続して唱え続けること。
ゾーンと言われる感覚にハマる回数が
それぞれにあるはずですから
それを見つける一歩になると思います。
そして、その回数を是非記録しておいてくださいね。
よくお寺の境内に
光明真言百萬反成就などの
記念碑が建てられているのを見かけます。
一人で行満、複数で行満など様々ですが
《般若心経壱萬回読誦成満》
も立派な修行になります
例えば1年で1000回唱える。
とか
1日3回唱える。
でも良いと思います。
目標があると、努力は格段にしやすくなります。
家事しながらでも良いですが、
それは修行のカウントには含めません。
ただ、習礼です。
白衣なり、修験装束に着替えて、
お線香を焚き、灯明をつけ、座って唱えてください。
きっと、何かが変わります。
型が大切というのは
日常から切り離すスイッチになったりするからです。
入りやすくなる。
没入しやすくなる。
感得しやすくなる。
そこを越えれば型に困りすぎても執着になります。
破らなければならない型と
破ってはいけない型。
両方がありますね。
あらまぁ、いつにもまして
脱線がすごい。
お護摩に戻りますが
壇木が燃えている間、火の下に
明るいエメラルドグリーンに輝くものが見えます。
焔もエメラルドグリーンに。
そのエメラルドグリーンに輝く宝石は
勾玉になっていきます。反対は黒曜石のように
黒く残っています。
水の匂いが濃く漂います。
感じるのは
裏を流れる沢の水と
天河大弁財天社の奥の奥で
法螺を立てたあの場所です。
そして井戸。
繋がってる…。
そして般若心経が力強く心地よい…
このように貴重な場面に立ち会わせていただける
有り難いご縁をいただいたことへの感謝とともに
三界萬霊皆成仏道
そして
国家安穏
国土安穏
風雨順時
萬民豊楽
など大願が次々に浮かび、
祈念させていただきました。
また、この場にいらっしゃらなかった方々の
思いや願い、また、お一人お一人のエネルギーも
強く感じながらの一座となりました。
おごまの開始までの時間。
四国から曼陀羅小屋に里帰りされた行者さまが
新しく先達になられた方へ
衣体の袖のすその扱いについて
レクチャーされていました。
それはもう伝授と言っても良いくらいの大切なこと。
威儀を正す。
という大切なこと。
私達はみな、堂内にいる時や
行をしている時は、金剛薩埵となっています。
金剛薩埵の威儀に住しているのです。
越法罪とかいろいろ縛りはありますが、
威儀を正すのは当たり前のこと。
軽やかに飛び越えて
大切なことを、すっとお伝えするお姿に
こうでなくちゃね。と、嬉しくなったのでした。