パラゴールドという題名の馬場馬術の映画を帰国するで観ました。
2020東京パラオリンピックのアメリカ代表を目指す4人のパラ馬術選手を追ったドキュメンタリーです。
記憶に残っているうちに4人について書き留めておきます。
ロキシー(東京パラリンピック金メダル)
子供の頃から乗馬を嗜み17歳でウィルス性の病気に罹り生死を彷徨います。
目覚めた彼女はとても心配した表情をしていました。お母さんから
“死ぬのが怖かったの?”
と聞かれたロキシーは
“いいえ、死ぬ事は怖くなかったわ。
でも今後馬に乗れないのかと考えたらとても辛いわ”
と言ったそうです。
生死を彷徨っている時もずっと馬の事を考えていたのでしょうね。
彼女には重度の障害が残り背もたれの無いイスに座ると後ろに倒れてしまいます。
でも馬に乗っている間は倒れる事はないそうです。
不思議な事だけれど馬のパワーを知っている人なら不思議に感じないはず。
目標は自立した生活ができるようになる事。
シドニー(22歳)
11歳の時に脳の奥に腫瘍がみつかり片目視力喪失、
左半身不随
だから彼女にとって片手しか動かない事は当たり前の事。
健常な体は要らないと言っています。
なぜならこの身体のおかげで彼女らしく生きれるからだそうです。
脚が短いだとか歳だからとかブーブー文句を言っている自分が恥ずかしい。
レベッカ(30代)
生まれた時から脚に障害があり他の子とは何かが違うと感じていた彼女。
子供の頃バレエを習っていてチュチュを着たら魔法がかかって皆と同じ様に踊れるかと期待したけれどそんな魔法はなくて、なぜ自分ばかりこんな体を持って生まれてきたのだろうと酷く落ち込みます。
ある日乗馬に出会い、馬が彼女を1人の人間として受け入れてくれた事に感動します。
早朝スタバで働いて午後からは乗馬のレッスンやリハビリに励む毎日。
スターバックスの障害者アスリート支援を受けています。
デイビッド(17歳)
アメリカ国内でも1000人いるかいないか稀な障害を持って生まれてきた彼。
成長期に骨格は成長しないで内臓だけ成長してしまいます。
小さな容器に沢山物が詰まっている状態。よって毎日体の痛みに悩まされています。
普通の健常者の男の子のように野球もサッカーもできなかった彼。
「馬に乗ると背が高くなるし速く走る事もできるんだよ!」
と言っていたのが印象的でした。
将来の夢は科学者になり病気を助ける事。
そんな彼は馬術のレッスンもエンジニア的な質問が多いんだとか。
感動した部分は沢山あってブログに書ききれない。
最も感動したのはロキシーとレベッカが1頭目の愛馬との想い出を語っている時。
ロキシーが病院から退院して一番最初にしたことは愛馬の背中に乗る事。
愛馬は全てを理解していたかのようにロキシーを見てそっと自分の背中を差し出した。
ここで1度目の大号泣~
レベッカは10代の頃に一生に1度の馬に出会っていて
「自分が死んだら天国で彼と一緒に走るの!」
2度目の大号泣
このドキュメンタリーに出演している人達は重度の障害を持ちいつ発作を起こしても不思議ではないし明日突然命を落とすかもしれないという状況の中で生きています。
機会があればもう一度観たい勇気づけられる映画でした。