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大丈夫。気付けばそこにいる。
そう、いなくていいわお前なぞ、
と言われぬ限りきっとあなたのそばにいる。
そんな人に私はなりたい...とは思わない。
私がなりたいのではなく人のそばには
必ずそういう人が付いている。
それに気付くか気付かないか、ただそれだけ。

 

友達と遊んでる子ども達のその顔も

恋人と盛り衰えるカップル達の表情も

結ばれたり離れたりする夫婦の面持ちも

誕生に感け今際に悟った人間の面構えも

 

直接だったり

写真を通してだったりして

見てきたけれど

 

その声色を

直接だったり

音に聞く形で

耳にしてきたけれど

 

特にそれ個人になにかを思うことはない

羨ましくもならないし

おめでとうとも思わないし

お疲れ様とも労わないし

不幸になれとも感じない

 

ただ

それを見聞きするに

それがどんな表情であっても

どんな声色であっても

この世を謳歌してる人間の

作り出す顔ばせや音色はいつだって

虹のように薄明光線のようにオーロラのように

コロコロと色が変わり

時と命の織り成すグラデーションは

斯くも美しい

 

としか思わない

 

人間のことなら

二割くらい

二割くらいは人間としてみている

 

残り八割はきっとたぶん

虹やオーロラのようなものとして見ている

 

そこら一帯で

色んな色を見てきた

 

友達と遊んでる子ども達のその顔も

恋人と盛り衰えるカップル達の表情も

結ばれたり離れたりする夫婦の面持ちも

誕生に感け今際に悟った人間の面構えも

 

直接だったり

写真を通してだったりして

見てきたけれど

 

これ以上ない屈託のない笑顔も

いじめにあって疎外された泣き顔も

愛に迫られうつつを抜かした面も

抜いたうつつを後々独りで埋め直す虚面も

自分では気付かぬ間に他を蔑ろにしてまで

新芽を愛で始める大人の顔付きも

少しずつの死後硬直を経て

残された僅かな熱を使い果たしながら

今生最後の表情を完成させにいった祖父の顔付きも

 

なんやかんや

なんだかんだ

そこそこ見てきたけれど

 

その声色を

直接だったり

音に聞く形で

耳にしてきたけれど

 

特にそれ個人になにかを思うことはない

羨ましくもならないし

おめでとうとも思わないし

お疲れ様とも労わないし

不幸になれとも感じない

 

虹を前にそうは思わないように

薄明光線を前にそうは怒らぬように

オーロラを前にそう蔑まぬように

 

そんなものどうでもいいんだ

そこに持ち合わせる感情なんて何もない

 

ただそれは

ただそれが

どんな表情であっても

どんな声色であっても

この世を謳歌してる人間の

作り出す顔ばせや音色はいつだって

虹のように薄明光線のようにオーロラのように

コロコロと色が変わり

時と命の織り成すグラデーションは

斯くも美しく

 

それだけが

一番強く心に成るから

 

言えることは

最後の最後まで人はずっと

慌ただしく綺麗だ

あなたは目障りなほどずっと綺麗だ

 

それくらいしかない

 

言えることなど

それくらいしかない