内村にとって6種目の合計得点で争う個人総合には特別な思いがある。「体操は全種目やってこそ。その種目だけ優勝しても、喜びは6分の1だと思う」。予選でトップと1・200点差の4番手に落ちた世界選手権覇者が、巻き返しを期した決勝で意地を見せた。
2種目目のあん馬で連日の落下とつまずいた。この大会は、あん馬とつり輪で難度を上げた構成で臨み、右腕が筋肉痛になっていたという。だが「気持ちを切り替えて踏ん張った」。つり輪、跳馬で流れを取り戻すと、平行棒は着地をぴたりと決めて全体トップの15・750点をマーク。予選で2度も落下した最終種目の鉄棒は、悪夢を振り払って4度の離れ技に成功した。着地では両腕を派手に突き上げて、喜びを爆発させた。
この日は母の日。応援に訪れた周子さんに表彰式でもらった花をプレゼントした。「負けず嫌いでマイペースなところが母親と似ている」と大学4年生。ぼくとつとした話しぶりに潜む強気な性格が、逆転での3年連続優勝に詰まっていた。
内村が余裕の逆転優勝を遂げた。3連覇の感想を聞かれ「とりあえず疲れました」。
得意のゆかで前日と同じ最高点を挙げ好スタートを切ったが、続くあん馬で落下するミス。しかし、ここからが世界王者の真骨頂。続くつり輪から最終種目の鉄棒まで着地をすべて完ぺきに決め、他を圧倒した。「きのう2度も落下している鉄棒は不安だったが、普段の練習通りいこうと思った」と、最後に派手なガッツポーズで締めくくった。
6月のNHK杯で世界選手権代表が決まるが、「確実性を上げるため演技価値点を少し落として臨む」という。その後徐々に難度を高めていく作戦だ。表彰式でもらった大きな花束を「これ母の日のプレゼント」と、長崎から応援に駆けつけた母周子さんに渡して笑顔を振りまいた。
世界王者の内村航平(21=日体大)が3連覇を達成した。「(3連覇の)意識はなかった。試合が始まったら、いつも通りにやるだけ」と風格を漂わせた。初日の1・200点差を逆転し、2位に2・275点差をつける圧勝。最後の鉄棒が終わると笑顔でガッツポーズが出た。「今できる1番良い演技ができた」と合格点をつけた。
この日は母の日。いつものように応援に駆けつけた母周子さんに、表彰式で受け取った花束を渡した。「母親とは負けず嫌いでマイペースな性格が似ていて、表現しづらい存在」とはにかんだ。次は、世界選手権(10月・オランダ)代表最終選考会を兼ねた6月のNHK杯に出場する。
体操全日本、内村が3連覇 鶴見は史上最多タイ5連覇(asahi.com)
男子で予選トップの中瀬は、苦手とする2種目目のあん馬で落下。全体で下から3番目の12・600点に沈み、初の優勝が遠のいた。
2週間ほど前からアキレスけんが痛み、床運動や、この日着地で尻もちをついた跳馬は、十分に練習が積めていなかったという。その状況で予選は好演技。世界選手権代表を狙うNHK杯では「もっとできると思う」と表情に暗さはなかった。
女子で3人目の5連覇を飾った鶴見は、3歳下の笹田ら新鋭を抑え、ほっとした表情だった。平均台の前方宙返りの着地でバランスを崩したが、両手で台を持つ執念で落下だけは免れて「今まで追われることを感じたことがなかった。負けたくなかった」と本音を漏らした。
2月上旬に左手を手術して約2週間も練習ができなかったため、日本体操協会の塚原千恵子強化本部長は「体重が増えた」と言う。調整不足で今回は演技構成の難度を落として勝負に徹してきたが、6月のNHK杯は世界選手権なども見据え、演技価値点を上げる方針。「しっかりやれば負けない」と強気だった。
過去に池田敬子、小菅麻里しか達成していない女子5連覇。名選手に並んだ鶴見は「うれしいのと、ほっとした気持ち」と素直に喜んだ。
予選は順当にトップ通過したが、決勝では優勝間違いなしの雰囲気が重圧になった。平均台では片足前方宙返りからのターンで落下しそうになり、台に手を触れるミス。「優勝したいと思って緊張してしまった」。演技が終わるごとに首をかしげ、決勝の得点は笹田に及ばず2位。逃げ切った内容に少し不満も残った。
2月に古傷の左手甲を手術した影響で、今大会は難しい演技構成に挑戦できなかった。曲と振り付けを新しくしたゆかは「うまくできたと思う」と手応えはあったが、もっと得点を出せるはずという思いも。「次の試合で難度を上げられるように、技の順番は変えてある。すぐに準備したい」と強気に言った。
2位に入った笹田、3位の谷口はいずれも14歳。「すごいなと思う気持ちと、負けたくないという思いがある」。次のNHK杯では、年下のホープにもっと力の差を見せる意気込みを示した。
表彰式での花束をお母さんに
優勝は良い母の日のプレゼントになりましたね^^
花束ちょうどあって簡単に済んでよかったとかは思ってないよね?(笑)



