11月10日金曜日
三回目。
部屋の片隅に置かれた招き猫のように、
独りぼっち椅子に腰掛け白紙に黒字が埋まるのを黙って見つめている。
見つめあうとどうしても素直にお喋りできない。
好き過ぎて黒ひかりするそれが。メロメロになっちゃう。
とりあえず一回目、二回目。三回目の今も、
一反木綿のような女も天井をぐるぐると旋回している模様。
あれが噂の珈琲女なのか?
人畜無害らしい。
とりあえず生ビール飲んどけ。
そんな君に乾杯。
ありがとう。
とりあえず、とりあえずってなんだ?
とりあえず今を大事にしたいじゃないか。
その時思った自分の気持ちをやっぱり大事にしていたいじゃないか。
初心忘るべからずって言うし、
自分に嘘はつきたくないじゃん。等と一人呟いている。
完
(書く女シリーズ)
(珈琲女シリーズ)
(フチ子シリーズ)
『女の朝パート1756.1757』シリーズ