10月26日木曜日
遥か長い道のりを経て東京は墨田の錦糸町にやってきた。
錦糸町の空は御機嫌麗しく、
そんな空を見上げた数秒後には、
アタイもついつい御機嫌になって仕舞った。
とりあえずそんな御機嫌だった空を見上げる前に、
死んだ魚のようになっていたアタイの瞳に、
沢山のガチャガチャがいきなり飛び込んできたのだった。
それはどれも魅力的だった。
あれもいいね、これもいいね。
目に入ったもの全てに手を伸ばし、
ガチャガチャといじくり回し、
全てをものにしたい等とも思った。
なるほどだった。
やっぱりアタイの好きなフチ子はそこにはいない。
流石フチ子。
やっぱりアタイはフチ子がいい。
しかしやっぱりって酷く情がない。
ってか失礼きわまりない。
単純に移ろいやすいだけだから。
たらればだから。。等と思いながら、今日も変わらずいつもの事をした。
とりあえずパシャリ。
掴んだものは離さない。
座った瞬間話さない。
握った拳は開かない。
立った瞬間掴みに行く為に。
遊びじゃないから同じ事してる訳。
とりあえず白と黒いいね。
完
(書く女シリーズ)
(珈琲女シリーズ)
(フチ子いないシリーズ)
『女の朝パート1727.1728.1729』シリーズ
