9月9日土曜日
嵐は去ったと言うのに嵐の前の静けさを独りでに感じて仕舞う。
しかしもう後にはひけない。
神妙な顔つきになり、今日も変わらずいつもの事をした。
とりあえずパシャリ。
そして笑って仕舞う。
そして待ってろアタイのフチ子!と叫んでいる。
そしてそこから一歩も動くな。
大人しくじっとしているんだぞ!!
殺伐としていたアタイの人生だったけど、
フチ子と出逢い、アタイの目の前にも漸く明るい光が射し込んできたんだ。
負けっぱなしの人生なんてもううんざりだ。
フチ子、ありがとう。
フチ子はアタイを震い立たせてくれた女神だ。
そう天使なんかじゃない!女神だ!
うるさい。
ガタガタ言ってるんじゃないわよ。
そのうちガタガタになるわよ。
今、何言っても無駄みたい。
精根つきて仕舞ったよアタイは。
これからのアタイは根負けするしかできないのかい。
したら、きっちり落とし前、つけられるんかい?
アタイだって人生かけてんだ。
乗っかってばかりだったと思ったかい?
な、はずね~だろうが。
したらとっくに夢のマイホーム手にして、可愛い奥さんになってたわよ。
アタイの涙も声もとっくに枯れている。
いくら叫んでも、いくら考えても、
もうどうする事も出来ないんだよ。
このあまちゃんが。
今アタイに出来ることと言ったら、
背もたれに寄り掛かり、
腕組みをし、一人睨みをきかす事くらいさ。
悔しくて、悲しくて、仕方ないさ。
動けないんだよ。
ガタガタで。
でも大丈夫、大丈夫だと言い聞かせながら、
何度もパシャリし、されてもきたんだアタイは。
フチ子を、
アタイのフチ子を落とすのはそう簡単にはいかないよ。
フチ子を幸せに出来るんかい?
愛情たっぷり注げるんかい?等と聞こえたり、聞こえなかったり、、、
とりあえず必死だった。
完
(書く女シリーズ)
(フチ子シリーズ)
(珈琲女シリーズ)



