9月4日月曜日。
砕け散ったガラスの破片を一つ一つ拾い集めよう。
アタイの周りはいっつもキラキラ輝いおる。
先ずは一番近い場所から始めてみよう。
くんくんくん、鼻を頼りに。
でもガラスの先端に触れて仕舞い、
血を流さないように気をつけなきゃ。
一度出来た傷口は何年たってもその傷後を残す。
そして中々癒えないし、言えない。
それにキラキラ輝いてるガラスに、
せみのしょんべんみたいな浴びせ血なんか引っかけようものならば、
気味が悪いし、君だって、
いや、ガラスだってアタイと同じように傷を追っている。
でも大丈夫。何度傷を追っても大丈夫なように、
ガラでもないのにアタイのポケットには、
沢山の絆創膏を、おさめた。
絆創膏にも色んな形や種類があって、見てるだけで夢拡がったな。
ガチャガチャとか、ガラポンとかしてる気分になって、小さかった頃を思い出したなぁ。
懐かしいなぁ。幸せだったなぁ。
胸のワクワク止まらなかったなぁ。
瞳の中、キラキラしていたなぁ。
あんなガラス、こんなガラス、、、三羽ガラス、、、、、
一つずつアタイの宝箱にしまっておくんだ、等と一人呟きながら、
今日も変わらずいつもの事をした。
とりあえずパシャリ。
そしてどうにも止まらなかった。
三羽ガラスを最後に、
かぁかぁかぁと言ってみたくなってしまう。
かぁ、かぁ、かぁ。
案の定、何も起きなかった。
しかし沈む夕日に向かって羽ばたく三羽ガラスって、何だか酷く魅力的である。
闇に溶けていく感じがして。
したら、三羽ガラスと言うとり達を、
是非とも拝見したくなるけれど、
今日は生憎の雨。
拾い集めようとしたガラスの破片は、
この雨と溶け合って、何処か流れて行って仕舞うかもしれない。
アタイの心に穴が空いてるのかもしれない。
でも大丈夫。アタイにはフチ子がいる。
しかも今日のフチ子は、
アタイにあげろ上げろ上げろ~、狼煙を上げろ~と言っていそうである。
さすがフチ子。
いつもアタイの味方。
でも見方が悪いのか、フチ子が3人に見える。
目の行き場に困るでないか。
完
(書く女シリーズ)
(珈琲女シリーズ)
(フチ子シリーズ)