8月29日火曜日
偶々目についたフチ子をマグカップのふちに乗せ、
今日も変わらずいつもの事をした訳だけれど、
パシャリした瞬間からアタイの眼光が鋭くなった気がした。
つけ加えるならば眼光だけでない。
嗅覚も味覚も聴覚も触覚も人間の第五感言われるすべての感覚が。
降っていた雨がやみ、晴れ間が拡がった気もした。
目の中ファイヤーマン。
今はただフチ子に触れたい。
時期的に落ち葉はまだ早いけれど、
遅かれ早かれもう少しで秋。
そして手の届く場所に幸せがある模様。
いきなり風吹かせたらあかんやつ。
隠れてないで出ておいでなんて言わないよ。
引っ張りたこにもなり、たこ殴りにもあい、ゆでたこにもなり、蛸壺みたいなところにもいるアタイが、どうでもいい事だけど、
これからがこのフチ子の出番で、輝きを増すのは確かな模様。
アタイが引っ張りだしてやるんだから。
等と実は聞こえていた。
声の主は解らないし、どうでもよいけれど、
どうやら本気らしい。
本気で泣ける位ならあなたを愛したりしない。
誰かにとられる位なら、
強く抱いて君を壊したいってやつか。
胸がキュンキュンしてしまう。
好きで好きでどうしようもなく好きなのかもしれない。
そしてこれからもっと深まりそうである。
完
(書く女シリーズ)
(フチ子シリーズ)
(珈琲女シリーズ)
『女の朝パート1738』シリーズ