『女の朝パート1235』 | ☆らんちゃんブログ☆

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落花流水。今在る事の意味や流れを感じながら、自由に書いていきます☆

12月1日水曜日

雨の音で目が覚めた今日の朝。

カーテンを開けなくても空が真っ暗な事は解っていた。

軋む身体を引きずってまで、

そんな暗闇の中を女手1人で手探り、

1人這いつくばった後は、頑張って起き上がり、

そして何かをする気力は恥ずかしながらも正直あの時はなかった。

それなのに今はいかがお過ごしでしょうかばりに、

青空が拡がっている。

雲一つない空は一点の淀みも汚れもない。

風向きが変われば話は又別だけれど、

拍手喝采、青天の霹靂だ等と1人思わずにはいられないなぁ、いられないなぁぁ、お尻ボリボリと思いながら、

やることなす事をした後はいつもの事を黙々とした。



パシャリ。
そしてじゃーーん!と、狂喜乱舞しながら1人心の中で呟いてみた。
足の裏から沸き上がる擽ったさがあった。
心臓もどっきんと跳ねた気がした。
その実、私のコレクションがまた一つ増えた事を、
偶々通りかかって仕舞った誰かに見せびらかしたかっただけ。
つけ加えるならば限定版。
なんて子供染みてる思いながらも大人の玩具なのだから、一言仕方がない。
言わずと知れず、誰かにとやかく言われる筋合いはない。
落とし前はちゃんと自分でつける、でもその実墓穴を掘っている等と息なりに。



こちら紫一色に染まったコップのフチ子である。
薄い紫色したラベンダーとか藤(ふち)の花のこの色もそうだけれど、
今日も私のマグカップにさりげなくしがみついて、まじで、可愛いったらありゃしない。
私はあなたを待っています。期待してます。決して離れないよ等と、
招き猫みたいた手で、猫みたいなくりっとした瞳で、
孤独な私を歓迎し優しく訴えかけてくる。
何だかんだといつも主役の場に躍り出るフチ子。
フチ子も大変なのにと思いながら、
私は一端の大人としてそんなフチ子を大事に大切に扱い、接する。
文字通り大人の嗜みだ。
私の珈琲時間を、
より豊かにしてくれ、より極上なものに変えてくれ、酔しれる事ができるのはやっぱりフチ子しかいない。
孤独で長く凄惨な戦いと歩みがあった事を思い出す。
だから本当は後少しだけフチ子と共に過ごしたいけれど、
私はもう我慢がならない。
ごくりと息を飲み僅かな緊張感が額に走る。
そしてその緊張感が紫色した糸に見えて仕舞う。
運命に導かれ、後は黙って進めばよいのだろうか?
私の荒野のような気持ちをぎゅっと縮めて濃くし、
暗闇の中へと吸い込まれていく力がフチ子にはあるみたい。
恐るべしコップのフチ子。
目が離せない。




(書く女シリーズ)
(フチ子シリーズ)