11月8日月曜日
始まりの月曜日は闇に包まれていた。
粛として声がない。
今日もと言った方が正しいのかどうなのか解らないけれど、いつもと然程差異はない。
人影もなく、人や小鳥の気配もない。
ただ季節は間違いなく冬場に向かっているようだ。
闇夜の下で洗濯物を干しながら、
冬支度と言う言葉が思い浮かぶが、
これと言って冬支度するような事はなかった。
洗濯は今日も沢山だし、
暖房器具もあるし、床暖房もあるし、毛布だってあるし、、、。
凍え戦き、肩身の狭い想いをする事や、
その先にある心配や不安はない。
あったら大変だ。一言不味い事になる。
とりあえず生き物の本能が独りでに目覚めるのか、
目覚めたいのか、
それともまだ夢を見ているのか、
それとも何かしら別の夢を見ていたいのかは解らないけれど、
独りぼっち穴蔵にこもり、
文字通り冬眠するだけの、エネルギーを何かしら、やっぱり蓄えなければならない気がした。
弱肉強食か。
弱いものは強いものに食われ、その一部となり生き続ける。
突然変異が起きない限りは、
食うか食われるかの世界では当たり前で、
それが自然の理。
巡り巡って最後は小さな点となり闇夜に包まれる。
面倒くさい。そもそも穴蔵なんて高貴なものないし、せいぜい巣穴と言った方が私らしい。
しかし私は獣ではない。
いつものように朝ごはんだって作って食べたし、
そんな闇夜の下で今日の洗濯物も干したばかりの人間だ。
つけ加えるならば性は、女。
とりあえず独りぼっち巣穴に引きこもり、
長時間冬眠する位なら私は眠らん。
暖かい部屋の中でせんべいでも食べながら、ゴロゴロした方が楽だ。
だから本当はエネルギーの蓄えとかは不必要になる。
しかし現実問題、そうはいかない。
何たって、私には守らなければならない天使達がいるから。
とりあえず着席した瞬間、生をお先に!ではないけれど、
すみませんもう少し舞ってていいですか?
いつものようにやることをやり終え、
写真を撮った後、聞こえて仕舞う。
とりあえず、いいよ➰💮(・∀・)、
承知致しましたと言う。
そして勝手に思う。
今日もフチ子は私を笑わせる。
さりげなくいつも私のつぼを押し当て、
本当に、なんて可愛い女の子なのだろうと思ってしまう。
そしてクスクスと、私の好きがどんどん増えて行って仕舞う。
フチ子、フチ子はもう舞ってきたんだよ!
全く何を言っちゃってるの?!
今日はクリスマスプレーか?
それとも社内イベントか何か?
それはフチ子の提案?
企画書作ったり大変だったでしょ?
フチ子は先読みする才があるんだね?
もしかしたらキラキラ女子特有のトレンドや、流行りものが好きとか?
しかし良い面構えだ!等とは、
玩具相手に、もう一端のおばさんなので言わないけれど、
フチ子の瞳は今日は特にキラキラしていた。
とりあえず私は、待てない。
喉から手が伸びる程今は珈琲が欲しいし、
熱々のその珈琲を今直ぐ頂きたい。
だって明日にはないんだもの。。
完
(書く女シリーズ)
(フチ子シリーズ)