何かが始まるその瞬間と言うのは、
ちょっとした不安と、
ひた隠しにしていた心のときめきtonightみたいなものを感じて仕舞う。
さっきまでなかったはずの緊張と言う名の糸が、
いきなり空からふり落ちてきて、
目の前でぶーらぶーらぶら下がっている。
それはまるで、最初で最後の頼み綱と言わんばかりで、
それはまるで夏の季節に良く見られる夕立のようで、
それは絶対領域でもあり、
兎に角打ち込みたい。そしてやりたい。
出来たら何度もやり、何度でも味わいたい。
何度でも、どんな時でも。僕が僕である為に。好きなものは好きと言える気持ち。。バイ槇原敬之。
欲望の渦は我道を進むばりに独りでに膨む。
制御不能になられたそれは、
我は偉い、我に敵うものこの世に一切なし、
道を開けんかい、扉を開かんかい、話を聞かんかい、我は特別じゃ、我は凄いんじゃと言わんばかりだ。
しかしその姿は背中の丸い猫であり、又盛りのついた犬である。にゃん、そしてワン。
パシャリがワンに聞こえたのか、子猫のようなフチ子が驚き仰け反って仕舞った。
ごめんね。私からすれば義務だった。
いつもの手順でいつものことをする。
来日も来日もいつもの事をしていたら、
心ときめくような事も不安の要素も何も見当たらない。
何を見、何を知って、どう聞こえて仕舞っているのか解らないと言っておくけれど、
私はいつも不安しかないし、それは凄く大きくて近い。私の大事なフチ子がそこから落ちなて仕舞わないかどうかと言う、現実的な不安。
そして誰にも言えない私だけの秘密。
フチ子を、オトシタのは、紛れもなくこの私の方だけど、
差し迫った予定がある訳でもないのに、
私はいつも事を急かし、いつも一人焼け野はらの荒野になる。
まるで燃えかす。何の役にも立たないただの燃えかす。
つけ加えるならばときめく事とも縁遠い。
とりあえず、風が吹いて舞い上がり、
かすはかすなりにちりあくたとなれば良いものの、
私のご自慢のこの砦に風は吹かない。
さぁ、こっちにおいで、私の大事なフチ子。
とりあえず今日の日付は8月12日木曜日。
いつものように珈琲の写真と、
幻聴をここに残す。声の主は不明。
完。
(書く女シリーズ)
(フチ子シリーズ)
(マグカップ、珈琲、珈琲男、珈琲女)