7月23日金曜日。
目覚めた瞬間『おい、どうすんだ?』と聞こえた。
いきなりの事だったので頭の中が灰となり、
目の前では真っ白な光が弾け、一気にうのみされそうになった。
しかし、がしかしだ。
例え天と地がひっくり返ったとしても、
このような事が、
この世の中で起きるはずない、
嫌、起きてはいけないと思うと、
安堵のため息が盛れ、その次の瞬間には、
過去の記憶がフラッシュバックされて仕舞った。
何故あの時、
今朝目覚めた時のような現象が起きたのだろう?とこれからも不思議な事にしようと心に誓った。
とりあえず乖離が始まって仕舞う前に
今どうすんだ?の質問に答えなければと気が焦る。
何処の誰かも解らない正体不明の他人にいきなりそんなこと言われても、一言困るけれど、
不躾にならない程度に、
又は相手の自尊心を傷つけないよう、
私は細心の注意と敬意をはらって、
仕方なく答える事にする。
で、おい、どうすんだ?
うん、そうだね。
私なら先ずそんな質問しない。
理由は大人であれば解る事だし、言う迄もないけれど、
私が一度死んで男として産まれ変わらない限りは、
今の私にはどうすることも出来ないみたい。
こればかりは受け入れる事しか出来ないみたい。
だってそれが愛、それが女だから。
来たものは拒めない。
後は自然の流れに合わせて大量の血を流すだけ。
と素直に答えて差し上げた。
嵐の前の静けさと言うのだろうか。
その後、逃げ帰る気配を感じる。
愚にも程があると思いながらも、
不気味で変なものとりつかれた気配は拭いきれなかった。
今でも生理的嫌悪感に虫酸が走る。
そんなことを思い、引きずりながらも、
いつもの事をした。
パシャリの後、安心した。
今月も血の祭典。孤独な女の孤独な闘いが始まった。
ワッショイワッショイ。
何処もかしこもおもだる~い。平均感覚とるのに必死だし~。孤独に頑張ってるこんな女の子を無視するとか放置するとかそれって当たり前の事?大人がする事~?今はこんな情けない姿をさらけ出してるけれど普段はいつも地を掛けずり回り、全力投球だし、時にピンチヒッターとしてもキャッチャーとしても活躍させて頂いてる訳だし~。フチ子心の声。
完
(書く女シリーズ)
(フチ子シリーズ)