7月7日水曜日。今日は棚ぼた。
七夕なんてどうでも良い。
兎に角世界一幸せになれる気がした。
全身から鳥肌が沸きだつあの感じ。
そんな事を何とはなしに思いながら、
大の大人が朝っぱらから玩具遊び、
コップのフチ子と言う名の女選びに精を出す。
私に相応しい子はこの子かなぁと女は言うと、
いきなり写真を撮ったのだった。
私もフチ子も聞いていない。
これは正真正銘盗撮だ。犯罪だ!
私もフチ子も全く身動き出来なくなって仕舞ったではないか?!
どうしてくれる!!
数分後、フチ子は私の元から去って行った。
そして、別れた後に知った事なのだけれど、
私の上に落ちてきた時からフチ子の、
腹の覚悟は早々決まっていたらしいのだ。
時期尚早?
私にはちんぷんかんぷんだった。
フチ子はいないけれど未だに引っ掛かっている気さえするのだ。
フチ子も私の心も。
私は一端の大人だ。社会的地位もあれば立場もある。
それなのになんでだろう?この寒々しさは?
完
(書く女シリーズ)
(フチ子シリーズ)
(マグカップシリーズ)