女の朝パート890の続き。
バランスフチ子は腹筋フチ子に今日も無言のメッセージを送っていた。
バランスフチ子にとって、
世の中に大勢のフチ子がいる中で、
腹筋フチ子だけは特別だった。
それもこれも、
あの時、あの瞬間に見た彼女の横顔が、あまりにも美しく精悍で、今でも忘れられずにいる為だった。
バランスフチ子からすれば、
その時見た腹筋フチ子の横顔は、
まさに天からの贈り物だと思い、全身に稲妻が走ったであろう。
そこに独りぼっちが放つ独特の香り。
寝る間もない位忙しいフチ子達にとって、
人との出逢いと言うのは年々益々減少傾向にある。
その中での出逢いは千載一遇のチャンスしかない。
棚引くこの状況にバランスフチ子の表情はほんの少し固くなる。
しかしどうにかこうにかしてでも、
彼女の視界に入ってやろうとバランスフチ子も必死だ。
風向きを変えてみようと努力をしたり、
自ら足を運び彼女の近くまで歩みよったり、、。
(わかってる、わかってるわよバランスフチ子。
しかし私はね女の子に興味はないの。
あなたの事は確かに好きよ、いつも全力姿勢で、向き合う努力をしてくれることも。
そしてこれからも変わらない。
ただね、
あなたがこいのぼりであること位私は知っている。どうみたってこいのぼりじゃない。
私はいつも腹の底に仕舞ってるだけなんだから。。。恋上れ、、、)
完。
(書く女シリーズ)
(フチ子シリーズ)