----女の朝パート840シリーズ-----
『おっはモーニン!』
(私の気のせいでなければロンドン橋が落ちる🎵落ちる🎵の歌を、
私の目の前にいる女が意気揚々と口ずさんでいた気がする。
何て日だ!何て極悪非道なんだ!何て非凡なんだ!
と、
私は涙を流し空を仰ぎ見、
その空に向かって一目散に舞い上がろうとしたが、訳あってやめた。
今にでも落ちそうなのはこの私なんだけど、、。)
(仕切り直しだ。)
『おっはー!
私は正真正銘のコップのフチに舞い降りた天使。
その名もコップのフチ子。
横縞な気持ちでここに舞い降りてきた訳ではないわよ。
私は選ばれたの。
私を受け入れてくれる繊細だけどまーるいハートを持ったものに。
辛くて寂しい思いを経験をしてきただけに、
放つオーラが凄くない?茶褐色が7色にもみえてくる。
カランカラン、心地よい音も聞こえてくる。
カランカラン、好きだ好きだに聞こえてくる。
しかしどう?私たち、お似合いじゃない?
二人で1つ。正に相思相愛。凸と凹のように、
全てがまぁるく収まってる。
ありがとう。私は今が一番幸せです。じゃ乾杯!』
(でも正直な所、色々が解らないから、
私の眼を見たら解ると想うけれど、
ちゃんと見極めなきゃ思っている。今のは夢の中の話。
本音は交じりあって溶け合っていければ良いけれど
、
舞い降りて来たばかりの私には迷いや混乱が生じる。
それに私には余り時間がない。
そもそも時間と言う概念がないのかもしれない。
だって重力を感じられないんだもの。
とりつかれてる証拠ね。
とりあえずいつも命綱なしのバンジージャンプをしている状態よ。
それにそんな簡単に、
我が家だと思って寛いでってねとか仮に言われたとしても、
直ぐにはどかっと腰なんか据えられないでしょ。
会社帰り、くったくったになりながらも、
馴染みの居酒屋さんに行って、
おっちゃん、いつもの熱燗ね!なんて言える?
熱燗よりもその居酒屋さんのおっちゃんの顔がみたくて来ただなんて、おっちゃんがおっちゃんに言う?
それに何て高飛車な女だと想われて、嫌われたくない。
本当の私は、長年勤めあげた天使の座を降臨する為に舞い降りてきた。
建前は身も心も冷えきって仕舞い、
目の前にいる私、天使の事が何も見えてない人間の心の穴をちょっとでも埋める為に舞い降りてきた。
詰まる所、私は流れ者。一瞬の快楽の提供って所。
それでも私は一瞬でも陽の目を浴びれた訳だから幸運だし感謝の一言に尽きる。
身に付けてるこの羽とこの弓矢が重たすぎて、
ちょっとばかし休みたかったからとは言わないけれど、、私が良縁結ばれた日には、是非乾杯を!)
完
(書く女シリーズ)
(フチ子シリーズ)