窓の外では雨が降っている。
ここに窓はないが。
ここは吉祥寺のエクセルシオールカフェ。
駅と直結としているカフェだ。
隣に本屋さんがある。
いつも新しい本が欲しいと思う。
そのくせ最近は本が進まない。
理由は解っている。
兎に角、椅子に座ったら珈琲の写真を撮ってみる。
パシャリとは鳴らないし何も起きない。
無音のカメラアプリをインストールしているからもあるけれど、
何かに期待し珈琲を飲む。
飲みながら、
自宅にある珈琲とどこかで味比べをしている。
勝者敗者なし。引き分けだ。
しかし電車中に傘を忘れた模様。
あの傘は何処に向かい、何処に落ち着くなのだろう？等と、一人無駄な事を考えている。
そしてその次の瞬間に又珈琲を飲む。
始まりの月曜日である事に僅かながらもときめくが、何だか沸き上がる喜びはもうない。
一体どうして仕舞ったのだろう？
解らない、解らないから又珈琲を飲む。
結局何も起きなかった。
いつもの幻聴と幻覚もなかった。
とりあえず、いつものように、記録はした。
完。
(書く女シリーズ)