1月13日水曜日。
カーテンの隙間から朝陽が漏れていた事に気がつき、眼が覚めた。
時刻は朝の7時40分。
ほんの少し前まで外も中も闇だったと思うと、
埋もれ木に花が咲くかのが如く、
マグカップのフチに何故このフチ子達を乗せ、
その写真をわざわざ撮ったのかが解らなくなった。
しかしせっかく咲いた花。
少しでも長く咲かせてみようではないか。
パシャリ。
顔が見えない。声も聞こえない。
だが、女の直感で、フチ子には彼がアイツである事が解っている。
逢いたい、逢いたい、本当に逢いたい、
どれだけアイツに逢いたかったか、、。
どれだけ顔がみたかったか、、、、、
フチ子は心の中で強く叫んだ。
アイツも又、同じ想いを抱いてくる事が、カップの縁を通し伝わってくる。
あぁ、同じだとフチ子は思った。
その次の瞬間、フチ子の胸は詰まり鼻の奥から鼻水もでそうになる。
それはそうだ。重力と、
良いのか悪いのか解らないけれど、
女の反骨精神に、その件は後ほどフチ子、は脱帽して仕舞うから。
フチ子は泣き出したくなった。
声にならない声を必死にこらえフチ子は嗚咽が漏れる。
完。
(書く女シリーズ)