『女の朝パート559』 | ☆らんちゃんブログ☆

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落花流水。今在る事の意味や流れを感じながら、自由に書いていきます☆



『あら、あなたも?』と上のソコ子
『そう私もよ。とりあえず壊れた傘を先に治して欲しかったわよね』と下のソコ子。



『……蛙の子は蛙…』
この時、上のソコ子と下のソコ子は自分だけが知る秘密を心の中だけで呟いていた。
ちなみに雨の日ソコ子はシークレットキャラであり、ソコ子の持つ傘には蛙の描が描かれている🐸
こちら↓


上のソコ子『あのさ、、私達は産まれながらにして、
奈落の底と思われるカップの底だけで陽の目を見、そして浴びて生きてきた訳じゃない。
雨降る日も嵐吹き荒れる日もいつどんな時でも、
果てしなく広い空だけをただ見上げ今日日生きてきた訳じゃない。
こうしてずっと変わらない姿勢で空ばかりを見上げてると2つとして同じ空ってなかったよね。
雲は流れ空の色は変わり、からすが飛べば雀だってスーパーの袋だって星だって流れ飛んでる事だってあったよね。あんなことこんなこと色んな事あったよね』
『あった、あった。中年女の、朝の顔がいきなり目の前に現れ、狂喜乱舞しながら迫ってきた時だってあった。カメラのフラッシュたかれ何が何だか解らない時だってあった。
あの時の恐ろしさと言ったら経験した者にしかきっと解らない事よね』と下のソコ子。
『そうなのよ。でも私達はそのおかけでちっとも退屈しなかったわよね。その度に心は揺れ考えさせられた。同じ姿勢でいることが辛い時もあったけれどね、、、』
『確かにそうね』
二人のソコ子は遠くを眺める。

『それよりか、私たちでさえもメンテナンスが必要なのね。
あなたは先に傘を治して欲しいと言ったけど、
それは天と地がひっくり返ったとしても無理な話よ。
仮に、そのぺしゃんこの傘が治ったとしたら、
あなたはソコ子でいられなくなる、
そして私はあなたとお別れしなければならなくなる。私は嫌よ。それでは余りにも悲しいし寂しくなる。
復しても私は一人ぼっちで雨にぬれ打たれる事になる。
雨は冷たいのよ。土の上は固いし背中も痛いのよ。』

『ね~、私達が今同じ場所にいるのは、
偶々にしても奇跡だとしか思えないの。
科学では証明が出来ない目には見えない大きな、自然な力、夢物語みたいな力が働いたとしか思えないの。
奇怪で頭が可笑しいと思われるかもしれないけれど、今はどうでも良い。
それよりか私達はお互いがシークレットキャラ。
秘密裏な関係。そして秘密は、秘密だからこそ、、、、、』

12月28日月曜日
いつもの珈琲時間。
女の珈琲時間はボケッとしたり、ひたすら画面を叩いたり、玩具のメンテナンスをしたり、ただ珈琲を飲んだり、取り留めのない事を考えたり、思い付いた事をするのを私は知っている。
個人情報保護法で女の個人情報を言いふらすのは良くないとは頭で解ってはいるけれど、、、。
とりあえず今日は玩具のメンテナンスみたい。
女は強力接着剤ゴリラを使いソコ子の傘が外れないよう補強をした。
解っている。女がちょっとおたくかもって事を。
しかし漸くたどり着いたどうでも良き事に達成感があるのかもしれない。
えっ私?
私は珈琲がある場所ならいつ何処にでも現れる、
ただの通りすがりの女。
その名も珈琲女。
今日も私は愛に溢れております。
そして日増しに珈琲が好きになる。


完。