『女の朝パート195』又、新たな一杯が注がれた。女は、まだ頭がぼ~っとしていた。夢なのか現実なのか今は判断がつかない。ただ一つだけ解った事がある。骨身に沁みると言う言葉があるけれど、珈琲にしても、何にしても、満たされると言うことは、背骨の方から沁みてきて、身体全体を細かく震わせるのだと。。暖かい。優しい。女は無自覚に呟いた。そして、何だか自分が良い人間、又は良い女になれた気さえする。念の為、気さえする。とも呟いた。ドキドキ高鳴る胸の鼓動と、びりびり震える指が、今、ここにあるようだ。完。