『女の朝パート178』 | ☆らんちゃんブログ☆

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落花流水。今在る事の意味や流れを感じながら、自由に書いていきます☆

きっかけが何であれ、
予想外の出来事に思わず心が震えて仕舞った瞬間と言うのは、
若かりし頃の自分にタイムスリップして仕舞う事があるようだ。
これまで過ごしてきた年月を凄まじいスピードで巻き戻し、
抱いていた夢や希望も、
それに向かって努力していた事すらも、
その時ばかりはどうした訳かどうでも良くなり、
春夏秋冬、
住んでいた場所とか宇宙空間すらもさらりと飛び越え、
気が付いたら頬っぺたが紅色に染まり、
高鳴なる胸にどうしようもない程の大きな幸せを知り、生きる歓びに心から感謝していたあの頃の自分に。



女は今朝も珈琲を飲んだ。

聞く所によると、
ある日の朝に、いつもと変わらない日常を過ごしていたら、
『珈琲を飲め』と言う言葉が自分の耳に突として、
飛び込んできたからだったと言う。
きっかけと言うのは、
自然の持つ脅威(天災)や偉大さと同じように、
いつ目の前に現れのるか知れたものじゃないと、女は言葉を続けた。
その声の主は男の人だった?それともおんな?それとも子供?
私が頭の中で質問を投げ掛けると、
女は下をうつむき黙って珈琲を飲んだ。
よっぽど言いたく無い理由やトラウマがあるのか、それとも自分だけの思い出や秘密にしたい事があるのかと思ったが、
今、それを女に聞いた所で、
女の大事な珈琲時間を邪魔するか、
女が困惑して仕舞うだけである事を知っていたから、
私自身、実は女からの答えを全く期待していなかったし、
こんな質問を甲斐甲斐しくして仕舞う自分を、今日も又恥じた。
でもどうにもとまらない。
珈琲が目の前にあると決まってそうなって仕舞う。
私が黙って珈琲を眺めていたら、
きっかけと言うのは不思議よね。
殆どの場合願っても叶わない事のほうが多いはずなのに。
それに昨日までの生活を一変させて仕舞うような破壊力もある。
と、女がいきなり喋り始めたのである。
この時ばかりは驚きを隠せなかった。
何故ならばと続くけれど、
私は何も聞いてはないし、女に何も望んでもいなかったからだ。

気がつくとカップの底が見えている。
満たされていた珈琲が空っぽになるまであと少し。
女もいなくなる。そして私もいなくなる。