『女の朝パート153』 | ☆らんちゃんブログ☆

☆らんちゃんブログ☆

落花流水。今在る事の意味や流れを感じながら、自由に書いていきます☆

スタバを出た時、
これからの私は空飛ぶ鳥のように自由な女、だと思った。
自由な女。女の自由。じゆう。じゆー。じゅー。
そして10。
女の頭の中でいきなり言葉の解体工事が始まる。
そして呟いた。
そうよ今日は3月10日。10日じゃない。
間違いなく10よ!
思うことがあるのか、
女はちょっと笑うと、直ぐ真顔に戻り、
これからは、
チョコレートチャンクスコーンや新しいタンブラーを見ることもない。
一目見て何してか解る事も、私の名前の前についたスタバのと言う肩書きもないなどと呟き始める。
そして続く。
悪事を働いたこと、不適切な行為をしてきた事、
そのような人に害を与えるような事もした記憶がない。
何故ならば、今もこうしてちゃんと生きてるから。

それでも私は今、
聖地とも思えるスタバを去ろうとしている。
本当ならもっと落ち込んだって良いはずだ。
心からそう思う。
14、5年真面目に通ってきた。
世間体に言うと、
ここを離れた私にはもう何もないのだ。
かつてはプロの野球選手だったように、、。
私は仕事がない女。そして自由な女。
女の自由。じゆう。じゆー、ジーユー!

ジ~~~~!

けたたましい音をたてながら目覚まし時計が震え始める。
おんなは目を開ける。
ぶらさかっている洗濯物、乱雑に積まれた本、
萎み、たるんだ肉達がお構いなしにおんなの視界に飛び込んでくる。
女の頭も目も霞みがかっていた。
又眠りに落ちる。

それでも女がスタバといた頃と時そっくりな味がするのは何故だろう?
そう、私はこれっぽっちも後悔してないからだ。

これからの私は時間にも縛られず、
赴くままにどんな時でもどこにだって行ける。
観たかった映画を存分に観る事もできれば、
一日中部屋着でいたってゆるされる。
だいたい、私は、鼻からスタバが大嫌いだった。
通い始めた頃なんて特に嫌な記憶しかない。
悲しみと疲労、愁いと不安。。
それでも可能な限りはこの身が壊れようと、
スタバの女でいようと努力をしてきたつもりだ。
そのおかげで1日分の善行が向こうから訪れる事もあれば、わざわざこちらから探しに行く必要もなかった。

感謝している。心から感謝している。

今は、
マグカップがなければ珈琲を注ぐ事も出来ないのと同じように、何かを探せば良いのだ。
何でもいいはず。
何処かに落ち着きさえすれば、
珈琲なんてどこだって誰だって飲めるわけだから。

じ~~~!
じ~~~~~!
おんなは目覚まし時計の音をやっとの思いで止めると、
眠りの中で夢を見ていた事に気がついた。

はっきり思い出せないのが、
夢には良くある話で、
それと同じように、
おんなはまだ自分の頭がぼーっとし、
目先何をすれば解らなかった。

とりあえず、珈琲を飲むことにし、
今日の日付を確認した。



今日は3月10日火曜日。


完。