4月19日金曜日。
初夏を思わせるような気温の高さに女は身悶えしていた。
陰湿を食い物にして生きている細菌達が、
ワタシの一番身近な所で繁殖し、
更にはワタシの遥か遠い所で、
精力的な活動に邁進しているのかもしれないと思うと、女は身の毛がよだつ思いだった。
さっきまで汗ばんでいた身体の汗が突として冷たい汗に変わる。
しかし女は気丈に振る舞った。
たかが細菌。ウイルスとは違う。
それだけでワタシの身は救われたのだから。
もしこれがウイルスだっら、、、、。
女は閉口した。
その先を口にするのは何とも耐え難い事だったが、
女は、いつの頃からか自分の事も含め、少しずつ色んな事を認知し、学習し始めていた。
まず、細菌とウイルスには大きな違いがある事、
そして、最近自分のウェイトが増えた事の二つを。。
以前より代謝が上がったのにも関わらず、
こんな熱い日に無駄に着込んできたわたしの歩みに問題があったのだ。
嗚呼なんてこと。
人間の感覚とは蟻地獄のように奥が深い。
いつまでもどこまでもとぐろを巻いて、まるで自分だけの秘密を表しているようだ。
この先はノートにて。