台風か..
あの日からもうすぐ20年
その時はまだ駆け出しの営業マン
蒸し暑さの引きずる夕まずめ
生ぬるい風に顔を被われながら
その風が連れてきた
どす黒い空をながめていた。
ゴロゴロ
雨
稲光
巻きつく風
コンクリートで弾ける雨音は
あっという間にパチっパチっ
パチパチパチパチと
細かく刻みはじめ
まもなく
ザァーーーっと
町の景色に
どでかいカーテンをおろした。
急いで車に乗り込み
ワイパーのピッチをhighにしても意味がない。
フロントガラスが波打つように
とめどなく滝雨が降り注いだ。
仕方ない..
ちょっと待つか。
5分
すぐにおさまるだろうと席を倒し、横になりながら、携帯をながめていた。
10分
20分
プァーービビービビー
?
けたたましくクラクションが鳴り響く
ん?
ザァーーーっ
プァーービビービビービビー
ビーーーーーーーー
たまたま高台にいた僕は
運転席側から
クラクションの響く
高架下のアンダーパスを覗きこんだ
お、おい..
なんだよこれ..
いつもならビュンビュン走ってるはずの高架下
車体の半分ほどを水に沈めた車の列
目を疑う光景だったのを
今でもはっきり覚えている。
平成12年
9月11日
東海豪雨。
20年も経つんやな、もう。
しっかりと
あの時の被害を忘れぬように
そして町は今後にそれを生かし、
改善回避するためのシステム構築が
現在も少しずつ進められているのだ。
今は
その特別番組の制作取材に携わり
僕はそこにいる。
まだまだ暑さの中
僕はそこにいる。
流人




