頭の中に
鍵小屋がある
それは宙に浮いているcloud
陽にじりじり紅く照らされるrock
水と土と光と緑に育まれるlife
うねりにうねる
無限大を放り込める箱実体はなく
鍵がかかっている
白夢や無彩を投じても
ひっかく事も消す事もできず
空っぽに穴を空けるだけ
いずれ廃墟と化すだろう
鍵小屋には
無数の鍵穴が在る
その1つは
アーティストの小屋に在ると私は見ている
扉を開け 踏み込むと
全身ががたがたと振動する
肌にシンパシーを感じる
脳が揺さぶられる
ハイカーから戻ったアーティストの小屋には
旅先での写真や戦利品の数々
生活の息遣いを感じる道具
そして数点の作品
ひとりの人物の歴史が投影された
日常とは違うリズムが流れるその空間から
微細な波動が放たれる
解放を待つ
憐れみから
血ヘドから
深海から
束縛から
自由から
やがて私は漂流する流木のようなイメージを得る
やっとスタートを切れる
1つめの鍵だ