自分がまるで芸術品になったような感覚になる
掴まっていられる枝を探す
空間をたゆたっている
今しか描けない絵がきっとある
モチーフは黄色と白で
細かい点で色を添えよう
ひたすらに堕ちてゆく自分を想像する
ノイズがガンガンと頭を叩く
指で何かを宙に描いている
頭の中では一曲をリピートしている
その姿はさながら、正体不明である
真っ暗闇の知らない道
無音
あなたが落としていった影を貪る
盲導犬は野良犬と化す
ドアは開けっ放しで
無防備である
まとわりつく全てがいらなくなる
ハッピーに見えるが逆流している
それを承知している
どんな時にも理性はきちんと働いている
それはありがたくもあり、厄介である
悪夢に乗っ取られるが
抵抗もしない
寝息、ゆめ、細胞
一杯のお水
よくわからない不安と過剰な自信と
儚い欲望
どこまでも堕ちるが
立ち上がろうとしている
余力尽きないのが人間の生の果てである
そこからうまれるのは絶望と羨望で
自分との再会を果たす為に必要な道程なら
少しましである
今日みた池坊の花も
ピザのとろとろチーズも
出会えた笑顔と
裏にある冷たい感情と
咳込み
全てが回転して
明日はいらないと叫ぶ