声にならなかった。

まともに立ってる事も出来なかった。

涙が止まらなかった。



彼女とよく見ていたマンションからの風景。
それを一人で眺めながら呟いた。

『約束破ってんじゃねぇよ…』

部屋に戻ると彼女が遺したぬいぐるみから彼女の香りがした。
俺が好きな香り、だけど二度と嗅ぐことがない香り。

涙が溢れた。

さよなら。最愛の人。
いつになれば再会出来るかわからないけど…まぁ気長に待っててくれよ。
悪いけど、俺かなり年とったから。






これ実話なんです。
読んでくれた男の人!!
大好きな人をちゃんと大切にしてますか?
今の彼女と結婚するかはわかりませんが、後悔の無いように大切にしてあげてくださいね。

女の人は彼氏や旦那さんに守ってもらえるような人になってくださいね。

後悔の無いように、大切な人との時間をお過ごしください。
救急隊員がせわしなく動く。

何か言っているが、俺には聞こえない。

『嘘だ…』

『彼女を助けて下さい…。彼女を…お願いしますお願いしますお願いしますお願いします…神様、居るなら彼女を…!!』

生まれて初めて神様に祈った。彼女を助けてくれるなら誰でも良かった。

病院に到着し、急いで手術室に運ばれる彼女。

外の長椅子に腰を下ろし、ひたすら祈る。


彼女が手術室に消えてからしばらく経つ。
突然、男性に声をかけられた。
「君か。娘と付き合っている男は…。」

『あ…はい。初めまして…』

彼女の父親だった。

「一度、夕食にでも誘おうかと思っていたんだが…まさか、こんな会い方をするとはな。」


『すいません、こんな事になってしまいまして…』


手術室の扉があいた。

こちらが聞くより早く医師は答えた。

「手は尽くしましたが…残念です…」

目の前が真っ暗になった。

最愛の彼女は帰らぬ人となった。
「君!!救急車が来たぞ!!」

怒鳴り声と共に羽交い締めで引き離された。

彼女がストレッチャーに乗せられ、救急車の中へ。

彼女の意識は戻らない。
彼女の手を握りしめ、ひたすら名前を呼ぶ。

どれくらいの時間が経ったのかわからない。
彼女の手に微かに力が入った。
見るとうっすらと目が開いている、口も動いてる。



「…ごめんね…」
今にも消えそうな声。

『大丈夫。今救急車だよ。すぐに病院につくから。』

「夢が叶って…私が戻ってきたら…お嫁さんに…してくれる?」

『当たり前だろ…今から婚姻届出しに行っても構わないよ。いきなり別居だけど(笑)』
本心だった。初めて結婚したいと思った彼女。彼女は帰ってくる意思を見せてくれた。
嬉しかった。

「ふふ…。良かったぁ…。」
力無く、青白い顔で彼女は笑った

『そんな心配しなくていいからさ、早く元気にな…』


ピーーーーー


『れ…』


聞き覚えのない機械音。
だけど、それが何なのかすぐにわかった。

彼女の心臓は停止した。