15分位して、また電話がかかった。
「 夏ー、外におるで~ 」
「 今行くわぁー 」
あたしが玄関を出て、その当時住んでいた
公団住宅の階段を下りると、
のり君は、目の前の公園で、ポケットに片手を突っ込んで、
待っていた。
あたしを見つけると、笑顔で片手を挙げた。
「 ほんま、久しぶりやなぁ~~
のり君全然かわってへんー(笑) 」
「 そうかぁ~ 夏だってきれーになったやんかぁ 」
「 って、歩き 飯田くんは 」
「 歩きなわけない(笑)
そこの横に車止めてあるで、飯田は乗っとるよ~ 」
「 そっかそっかぁ 」
あたしたちは喋りながら車のほうへ向かって歩いていった。
車のドアを開けて、後ろに乗り込むと、
飯田君が後ろを向いた。
「 夏ちゃん、ひさしぶりやねー 」
「 うんうん、卒業以来始めてっちゃう
同窓会とか、きてへんだやろ 」
「 あー、いってないな、みんなきとった 」
「 おととしやったときは、結構きとったでー、
高先生とか、かんちゃん先生とかもきとったし、」
「 かんちゃん先生なつかしーなー、」
「 喫茶店でも行く 」
「 うんうん 」
あたしたち3人は、昔話に花を咲かせながら
少しはなれたところの喫茶店に入った。
そこでも、懐かしい話をいっぱいした。
「 仕事何しとるん 電話するときさー、
嫁に行って、もうおらんかと思って電話したんやでー 」
「 残念ながら、まだおるわさぁ(笑)
今はなぁ、車関係の営業と、習字教室しとるよ~ 」
「 習字教室って、習字の先生なん 」
「 夏、そういや、よく教室の後ろに
習字とか張られとったよなぁ 」
「 うんうん、資格とってさぁ、小さいけど、
やっとるんよ~ 」
「 すごいなぁ~、先生かぁ~ 」
「 のり君と飯田君はなにしとるん 」
「 俺はどかたやけど、のりは、社長やで! 」
「 大げさなこと言うなー 」
「 えっ、社長って、なんの 」
「 運送業 かな 」
照れくさそうにのり君が言った。
「 まだ従業員とか、3人しかおらへんし、
はじめたばっかやで、大変やわぁ 」
「 すごいやん~~、」
「 のりは、がんばりややでな(笑) 」
あたしはすごく居心地がよくて楽しかった。
中学生の頃は、飯田君とは、そんなに喋ったことも
なかったし、
のり君も大人びて離れていってしまったし、
特に仲良く遊んでいたわけではないのに、
今こうして、10年ぶりに会っても、
みんなでいると、あっというまにあの頃に戻ったような
空気ができて、同級生、幼なじみっていいなぁ~と
一緒の時間を心から楽しんでいた。
そして、10年以上ものり君と飯田くんの
友情が続いていたことが嬉しかった。
のり君、ほんまの友達できてよかったなぁ、と
変だけど、安心したような気持ちだった。
2時間ほど、喫茶店にいただろうか、
そのあと、家の前まで送ってもらい、
また近々一緒に遊ぶ約束をして、その日は別れた。
カンゲキ―゚.+(〃ノωノ)゚.+°です♪