大和から情報入手、助言会社がインサイダー取引
読売新聞 6月29日(金)20時50分配信
企業の公募増資を巡るインサイダー取引問題を調査している証券取引等監視委員会は29日、投資助言会社「ジャパン・アドバイザリー合同会社」(東京)によるインサイダー取引が判明したとして、金融商品取引法に基づき、同社に37万円の課徴金を科すよう金融庁に勧告した。
未公表情報は証券大手「大和証券」(同)から漏れたといい、証券業界で増資情報がずさんに管理されている実態が改めて浮き彫りとなった。
監視委は3月以降、東京電力など4社の公募増資を巡るインサイダー取引で、旧中央三井アセット信託銀行など4社に課徴金を科すよう勧告。この際、野村証券とJPモルガン証券の営業員計5人が情報を漏らしたと認定した。さらに、SMBC日興証券が増資情報を公表前に顧客に伝えていたとして、行政処分を勧告している。
監視委などによると、ジャパン社は、日本板硝子が2010年8月に増資を公表する前に、大和証券の営業員から増資の情報を入手。増資公表後の株価は下落することが多いため、実質的に運用していたファンドで事前に株を売却し、公表後に値下がりしたところで買い戻す「空売り」を仕掛け、約1600万円の利益を得た。ただ課徴金は、ジャパン社が顧客側から得た運用手数料を基に算出されるため37万円にとどまった。
ジャパン社は、投資判断に必要な企業情報を提供するよう証券会社に求め、有益な情報を提供した会社の取引量を増やしていた。監視委はこうした手法がインサイダー取引を招いたとみている。大和証券は「再発防止に向け内部管理体制を強化したい」としている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120629-00001126-yom-soci
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