あの時くれた託生の言葉は、今もギイの心を照らしている。
託生には敵わない。
いつだってギイの想いのその上をいくのだから。
「・・・託生、愛してる。」
おまえを選んで、選ばれて・・・本当に良かった。
「何?急に・・・。僕も・・・愛してるよ。」
照れながらもしっかりと言葉にして返してくれる託生に。
離れた時間の長さを感じる。
その時間を埋めたくて託生へと指先が伸びるギイを、託生の慌てた声が押し止めた。
「だ、だからっ、・・・ダメ、だってば・・っ、」
「大丈夫。ちょっとだけだから、な?」
「だ、だって・・・奏太を迎えに行かなきゃ、」
託生の口に上ったその名前に、ギイはむっ、と眉間にシワを寄せた。
「奏太ももう大学生だ。ここまで一人で来れる。」
「かもしれないけどっ、」
「・・・・もういい、黙れよ。」
言葉と同時にキスで口を塞ぐ。
「俺の前で他の男の話をするなよ。」
「他の男って・・・奏太だよ?」
「他の男だろ?」
ギイの有無を言わせぬ調子に託生は言葉を失った。
―――奏太に告白されたこと、まさか、ギイ、気付いてる?
話がややこしくなりそうでギイには黙っていたのだが、ギイのこの物言いでは知られているような気がする。
だけど。
―――そ、そんなはず、ないよね!
奏太にはきっぱりと伝えた。
ギイを愛してると。
その上で、こうしてギイと生きていくことも奏太は認めてくれたのだ。
まだ多少のぎこちなさは感じるけれども、僕たちは家族なんだから。
「奏太は僕たちの息子だろ?」
「・・・・俺にとっては強力なライバルだよ。」
「えっ?なに?よく聞こえなかった・・・・って、ちょ、ちょっと!・・・もっ、だめ・・っ、て・・・、」
ギイの呟きは託生の首筋に埋め込まれて聴き取れなくて。
問い返した言葉がギイの指先の悪戯な動きに途切れる。
どうやら何かのスイッチを入れてしまったらしい。
そのあとは巧みな指先に翻弄されて―――
ギイの腕の中から抜けな出せないまま、理性も剥ぎ取られてぐずぐずに溶かされてしまったのだった。