First and Only Love 21 | usatami♪タクミくんシリーズ二次創作小説♪

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タクミくんシリーズの二次創作です。
usatami のこうだったらいいのにな~♪を細々と綴っております(〃ω〃)
覗いていただけてら嬉しいです(’-’*)♪

「・・・奏太、苦しい・・・。」
窒息しそうなほどキツく抱き締められた胸の中から、託生はくぐもった声を上げた。
「あっ、ごめんっ、つい・・・。」
慌てて緩められた奏太の腕から抜け出した託生は瞳を閉じて両の掌で顔を覆った。
誰も何も言えない―――そんな沈黙が続いた後。
「いつから知ってた?」
託生が小さく問い掛けた。
「・・・中学に上がる前から・・・っていうか、とうさん、隠す気なんてなかったんだろ?」
「えっ?」
「だって、写真。かあさんの写真の横に並べて置いてる。あの人が―――、」
自分の本当の父親。
そう最後まで口にすることは流石に躊躇われて。
奏太は言葉を濁した。

かあさんの写真の横にある一枚の写真。
明るい笑顔が眩しいその男性の写真が何故かあさんの写真の横に並んでいるのか。
幼い頃から奏太はずっと不思議に思っていた。
一度託生に尋ねたことがある。
この人はだれ?と。

この人はね、とうさんのとても大切なお友達なんだ。
そしてかあさんのとても大切な人なんだよ。
だからね、ここから奏太のこと見ててもらってるんだ。

その時はふーん、くらいにしか思わなかったけど。
時が経って成長するにつれ、写真の男性の面影を鏡の中の自分に発見するようになった奏太である。
これで気付くなと言う方が無茶だと思う。

奏太だってそれなりに悩んだ。
何しろ唯一の肉親だと信じていたとうさんが、実は本当の父親ではないのだ。
何も話してくれない託生に、どういうことだと問い詰めようと思い詰めたこともある。
だけど出来なかった。

託生が奏太に向けてくれる愛情は本物だったから。
血が繋がっていなかったとしても、奏太が愛されている事実は疑う余地もなかった。
だから。
奏太は訊かないことにしたのだ。
いつか託生から本当の事を話してくれるその日が来るまで待つことにした。

「そっか、写真かぁ・・・。」
言われて気付いたらしい託生に、奏太は苦笑いする。
これだから、この人は天然だって皆に言われるのだ。
そんな事を思っていた奏太の髪に託生の繊細な指先が触れて、奏太はドキリとする。
「・・・確かに。似てきたよ。」
懐かしげに瞳を細めて。
託生は奏太に誰かを重ねた。
―――きっとあの写真の人を。