Promise to you 60 | usatami♪タクミくんシリーズ二次創作小説♪

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タクミくんシリーズの二次創作です。
usatami のこうだったらいいのにな~♪を細々と綴っております(〃ω〃)
覗いていただけてら嬉しいです(’-’*)♪

「葉山ぁ~っ、聞いてよ~っっ!」

恒例の食堂でのギイとの夕食。
食べ終わって、食後のお茶を飲んでいたところのコレである。

声の主は食堂中の注目を一身に集めているにもかかわらず平然としている。
それはまあ、彼にとってはこんな視線など日常茶飯事、今更とるに足らないことなのだろう。
何故なら、彼は常に祠堂の耳目を集めて止まない、押しも押されもしない学園のお姫様、高林泉なのだから。
だが、巻き込まれる側はそうもいかない。
・・・・・ただし、それは普通ならば、である。

残念ながら?それとも幸運にも、だろうか?
巻き込まれた託生も泉とはまた違った意味で平然としたものだ。
「あっ、高林くん。・・・・どうしたの?
なんて呑気なものである。

これは託生も注目されることに慣れっこだから・・・ということでは決してなく、一重に託生が周囲の自分に対する反応に敏感ではないから。
これほどの注目を集めているというのに、託生にはその自覚は皆無なのだった。
そしてこの場にはギイもいる。
ただでさえこの3人が揃っていれば目を引いてしまうというのに。
「こらっ、高林。託生は今、オレと話してるの。っていうか、ひっつきすぎ!」
「いいじゃんか。ギイなんてどうせ今までずっと葉山と一緒だったんだろ?ちょっとぐらい僕に貸してよっ!」
非常に気になる内容に、どうしても視線が集まってしまうというものだ。

こほん。
そこに響いた咳払い。
「場所を変えよう。」
居合わせた章三の冷静な提案に、4人は連れ立って食堂を後にした。


食堂から一番遠く離れた自販機コーナー。
夕食後のこの時間に、わざわざこんな僻地までドリンクを買いに訪れる物好きは、そうはいない。
いくつか並んだテーブルセットに先客は皆無だった。


「付き合うことになったんだ。」
泉の告白に一瞬、場が静まる。
「・・・・まったく。おまえら、僕が何の委員か忘れてるだろう?」
章三のまさに苦虫を噛み潰したかのような独白に被さって。
「――えっ、おめでとう!良かったねっ。」
託生の嬉しさの滲んだ声が響いた。

先日、津川の起こした例の事件。
その一連の事件の被害者となりかけた泉を、危ないところで救ってくれたという泉の王子様。
同じ1年の吉沢道雄に恋してしまって、熱烈にアタックしていた泉である。
だが、なかなか好きだと言ってもらえなくて。



「どうしたら好きって言ってもらえるのかな?」
以前にされた相談。
「・・・・それって、高林くんが好きって言ってるのに、吉沢くんは信じてくれないってこと?」
泉の疑問に託生も疑問で返したら。
「え?僕、吉沢に好きだなんて言ってないけど?」
泉のことだ。
ギイの時みたいに自分から言ってるとばかり思っていたのに。
意外すぎて目を丸くした託生に。
「・・・・だって。好きって言って断られたら・・・・コワイじゃん・・・。」
泉がポツリ、呟いた。

「ギイの時は平気だったのに・・・不思議なんだ・・・吉沢には、ごめんって・・・言われたくない。」
もしも言われてしまったなら、地の底まで落ち込んで二度と浮上出来なさそうで怖いのだと。

そんな風に言っていたから。
あの時、泉の悩みに役立つような助言なんて何もできなくて。
ただ話を聞いているだけだった。
だから尚更、泉の報告と嬉しそうな笑顔を見れて、託生も嬉しくなった。

「葉山にはさ、色々と迷惑掛けちゃったから・・・一応、報告。」
「・・・迷惑?」
泉の言葉にこてん、と首を傾げる託生。
その頭上には盛大なハテナマークが浮かんでいる。

当時、ギイに恋していた泉が託生を相手に張り巡らせたアレコレの作戦。
どうやらそれらは託生の中では“迷惑”にはカウントされていないらしい。
どころか。
それと全くわかっていないのだろう。
託生のそんなお人好しさを泉は結構気に入っているのだ。

「ううん、なんでもない。葉山は友達だからさ。だから、報告。」
言い直した泉の言葉に。
今度は託生にも笑顔が浮かんだ。
「うん。ありがとう。」