Another Kiss・・・? 9 | usatami♪タクミくんシリーズ二次創作小説♪

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タクミくんシリーズの二次創作です。
usatami のこうだったらいいのにな~♪を細々と綴っております(〃ω〃)
覗いていただけてら嬉しいです(’-’*)♪

「実は今日、義一さんと聴きに来たんです。」
島岡の言葉は託生にとって、驚いた等と言い表せられる問題ではなく。
雷に撃たれたかのように息を呑んで硬直してしまう。
「なんで・・・。」
見開かれた目はここではないどこかに向けられていて、思わず、といった具合にこぼれた言葉が行き場を失って沈黙に落ちていく。

「・・・すみません・・それで?」
託生の動揺がおさまるのを黙って待ってくれた島岡に話の続きを促すと。
「貴方と話がしたいと。この後、食事をご一緒できませんか?」
スポンサーとの会食がキャンセルとなった理由に思い至って、託生は小さく溜め息を吐いた。
ギイなら、こんなことも軽く出来てしまうのだろうが・・・。
しかし依然として残る、何故?という疑問。

そう、何故。
僕と話なんて・・・。

託生は揺れる瞳を島岡へと注いだ。
「ギイは・・・?」
震えて言葉にならなかった問い掛けも島岡は完全に把握して。
残酷な程にはっきりと首を振った。
「そう、ですか・・・。」
託生の肩が落胆に落ちる。

「断っても、良いのですよ・・・?」
それは島岡の優しさから出た言葉。
だが、託生は。
「ありがとうございます、島岡さん。僕・・・行きます。」







僕の返事に少しだけほっとした表情を見せた島岡さんに、ほんの少しだけ疑問がよぎったけど。



今度こそ、君に会おう。
会って、受け入れよう。
在るがままの真実を。
そうすれば、この想いは終わるのかな?
届かない君への朝の挨拶も、たわいない日常の報告も、未だに途切れることのない愛の歌も・・・。
全て、なくなってしまうのかな?
そんな僕は想像もつかないけど。

この想いを終わらせるなら、それは君の手で。





この時の僕は、そんな風に考えてたんだ。



君に会うことで更に苦しくなるなんて、思ってもなかった。
苦しいのに嬉しくて、嬉しいのに哀しい・・・。
そんな訳のわからない感情の嵐に襲われることになるなんて。

この時、思いもしてなかったんだ。