君と一緒に♪8-1 | usatami♪タクミくんシリーズ二次創作小説♪

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タクミくんシリーズの二次創作です。
usatami のこうだったらいいのにな~♪を細々と綴っております(〃ω〃)
覗いていただけてら嬉しいです(’-’*)♪

---はぁ~、幸せだ・・・。
託生弁当をじっくりと味わった後、そよ風の吹くあずまやでのんびりと過ごす。

お疲れ気味らしい託生はお弁当でお腹の具合も良くなった為に再びうとうととしている。
こっくり、となっては    はっ!と目覚め、また眼を擦ってはこっくりと。

・・・可愛すぎる。

ずっと見ていたいギイであったが、疲れているらしい託生にゆっくりと休んで欲しかった。
見続けていたい欲求をぐっと堪えて託生を自らの膝にころんと転がす。
うとうとと舟をこいでいた託生は、突然切り替わった風景にびっくりしてパチパチとその長い睫毛で縁取られた瞳を瞬かせた。

状況が把握できず瞬きを繰り返す託生に、ギイは優しく語りかける。

「託生はお疲れみたいだな。俺もうちょっと時間あるから、少し寝ろよ。」

茶色の瞳に慈しみの光を湛えて包み込むように見詰めてくるギイに、託生は全てを委ねられる満ち足りた安堵感にほぅ、と一息吐いて、そのまま深い眠りに落ちていったのだった。

そよぐ風にさらさらと揺れる託生の黒髪を、長い指先でそっと掻き上げる。
安心しきった幼子のような顔で眠る託生を愛しげに見詰めながら、先日珍しくも掛かってきた佐智からの電話を思い出す。

「義一くん、今ちょっといいかな?」
挨拶もなしで喋りだす佐智にギイは苦笑する。
「佐智からの電話なんて珍しいな。一体何があったんだ?」
ギイの問いをスルーして勢い良く告げる。
「託生くんのコンクールの伴奏、城縞くんにして貰うから。義一くん、邪魔しないでね!」

あまりの勢いに一瞬言葉を呑んでしまったギイだったが・・・
「ちょ、ちょっと待てよ。城縞はもうプロだろ?しかも超売れっ子の。そんな奴がコンクールの伴奏なんて出来ないだろ!」
ギイの抗議も佐智には想定内のことだった。
「出来るよ。コンクールの規定で禁止されてはいない。ま、滅多にないことだろうけどね。あと、スケジュール的な面も何とかなるようにこちらで手を回すから。あとは二人が組むって決めてさえくれれば・・・それも大丈夫だろうけど。託生くんにとって一番の伴奏者は彼なんだから。」
すらすらと言い連ね、最後にギイのあまり認めたくはない一言も付け足す。
途端にしん、と静まった相手の気配に佐智はふっと笑って言った。
「そんなに不安そうにしないでよ。義一くんらしくもない。・・・そんなに彼が怖いの?」
佐智の穏やかな口調での問い掛けに、ギイも知らず固まっていた肩をほっと脱力させる。