笹塚で劇団居酒屋ベースボールさんの第15本公演「owl children」の後半戦「鴟梟-sikyo-」を観てきました。

先週拝見した「フクロウガスム」に出てくる登場人物”百舌”のスピンオフ作品。

続けてみると魅力倍増。もちろん単体でも楽しめます。




一時の快楽の結果。安易に産み落とされ、戸籍さえない子どもたち。

貧困、虐待。

安らぎの場のはずの家にも、守ってくれるべき親のもとにも安住の場所はありません。

梟の子は梟。悪魔の子は悪魔。

暗闇で息をひそめ、じっと獲物を狙う悪魔と呼ばれる者たち。

繰り返される殺人。

被害者には共通点。我が子を虐待する親。

一方、警察官ばかりを狙う殺人鬼。彼らの狙いは?

警察も善だけではありません。組織を率いて私腹を肥やす刑事や”国”の命令でスラム街を一層しようと暗躍する刑事。

いろいろ考えないとついていけない内容。

楽しめる、という内容ではないし、見終わったあとの感じ(本だったら、読後感みたいなの)も決して良くはありません。

だからと言って、見て見ぬ振りをしてたら断ち切れない悲劇の連鎖。

誰かひとりだけでも、自分の周りの人の悲しいシグナルをキャッチして救うことが出来たら。

普通に生きてる(それだけで充分幸せなんですよね)みんなが1人だけでも救えたら。

世界はもっともっと生きやすい世の中になるはずですよね。



ふと以前に映画&小説で見た、梁石日さん原作の「闇の子供たち」を思い出しました。

貧困故に売られていく子どもたち。

性の商売道具にされ、病気になれば生きたままゴミ袋に入れて捨てられて。

無事に成長しても生きたまま臓器を取り出され、臓器移植のブローカーに売られ。



どちらも救いのない内容。

切ない、だけでは足りない感情だけが残ります。

それでも。

臭いものには蓋をして、見たくないものからは目を背け、楽に楽に生きようとする自分に警鐘を鳴らすためにも折りに触れ、繰り返し見たい作品です。








毎回毎回、舞台セットも素敵です。







可愛くなり過ぎ(w)の劇団代表の似顔絵Tシャツ、手作りアクセ、劇団のお芝居に彩りを添える素敵な音楽を奏で続ける「mister howis」のCDもお買い上げ。








ただ。ちょっと気になることが。

ここからは劇団関係者は見ないでください。って、誰も見てないだろうけどw



あくまでも個人的見解だし、自分の理解力が足りてないだけだろうけど。

終わり近く。

”国”の命令でスラム街の一掃を目指す春刑事。

8年間相棒を務めた同僚の登日刑事を射殺してしまいます。

その後で、「誰か1人でも救ってみろよ。隣のやつを笑わせてみろよ。ほっこりさせてみろよ。」って言われても…。

まあ、登日刑事を演じてる役者さんが好きなせいもあって、余計に憎たらしかったしww

結局は春刑事も殺されちゃうんだけど。

そんな春刑事の思いが伝わってきませんでした。。。










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