太平洋戦争の末期、秀才の揃う愛知一中。

生徒たちは近づく戦争の足音は気にしながらも、勉学に勤しむ。

親友・光男(太賀)の夢は作家になること。

正美(池松壮亮)はその夢を誇らしく思いつつ応援していた。

戦局はいよいよ悪化。

兵士不足を解消するために、各学校に予科練の志望者を強制的に割り当てる軍(国家)。

頭が良く、純粋な生徒たち。

軍や教師の思惑通り、決起大会で雰囲気に飲み込まれた全校生徒700名全員が戦争に行くことを志願する。



江藤千秋さんの原作は史実に基づいたノンフィクションだそうです。

雰囲気に飲まれ、右へ倣え。流行ものに弱く、長いものに巻かれる気質は昔も今も変わらない日本人。

自分たちの意にそぐわない他人の排斥も昔のまま。

何かあると(言うと)、非国民。

そんな中での集団的自衛権問題。



戦場に散った多くの若者たち。

夢も希望もあったし、友だちも家族も恋人もいました。

ただ、そこには戦争がありました。

彼らの犠牲で戦争しなくても良い権利を手にしたのに。

せっかくのその幸運をフイにするの?

我々の世代は良いよ、あとは朽ち果てて行くだけだもん。

あなたたちの大切でかけがえのない子供や孫が他国の戦争に巻き込まれるんですよ。

帰りは棺の中。

いえ、それすらないかも知れないのに。