昨日は
最後のデートのつもりで彼に会った

付き合い始めた時に行った場所に行きたいとねだってドライブ 

彼の車に乗るのは久しぶりだけど
誰かが乗った痕跡が気になって
嫌な気分になった

途中にあった
なんてことはない中華屋さんで
昼ごはんを食べた

店にあったドラえもんのひとコマが
あまりにもおかしくて
ふたり、声を出して笑った

久しぶりだった

久しぶりに彼の笑った顔を見た
向かいあって座って
正面から彼の笑顔を見ていた

涙が出た

4年と少し前、
ファミレスで差し向かい座った日のことを思い出した
この笑顔が好きで
ずっと、見ていたいと思った
彼が好きだと思った

あの時は
近いうちにきっと
ふたりで暮らせる日が来ると
信じていた
彼の嘘には、何ひとつ気づかなかった

あぁ、
わたし、この人が好きだ

今でも、こんなに好きだ

ごはんを食べる姿も
笑顔と同じくらい好き
あなたが好き

こんなに、好きなのに
どうして、あなたは同じでいてくれないの…


4年ぶりに訪れたその場所は
同じようにきれいだった

たくさんの思い出

もう、一緒にはいられない

苦しいから

わたしがもう、わたしじゃなくなる

嫉妬や憎しみ、猜疑心
言いようのない悲しみと不安と絶望

ずっとずっと
心が削られていたの

ずっとずっと
一緒にいても、さみしかった

ずっとずっと
悲しくて、苦しかった


彼の表の世界には入れてもらえない、悲しさ

もう、限界



彼に、
もう会わないと言った

悲しそうな顔だった

今日のデートを最後にしたくないと言った

大好きだから、と…



ごめんね

あなたの言うことを
もう、全部信じられないの

信じても
だいたい嘘だって
あとからわかるから

信じてほしいなら

今すぐ
離婚して来て
出来ないなら、そういうことだよ




大好きなのに
その人を信じられない苦しさ

そんな自分が嫌だから



大好き

今でも


その分、許せないことがたくさんある

好きな分より何倍も憎い


だけど

思い出すのはいつも彼

行きたいところも話したいことも
たくさんたくさん
死骸みたいに転がってる


でも、もうだめなの


離婚しないこと

それどころか、子どもを作って

家でいい顔して

家庭の体裁を維持してる


それが何よりあなたの本心だから  



さようなら

大好きだけど

大嫌い

でも、最後にあなたの笑顔が見られて
よかった
大好きだった笑顔を見られてよかった

写真が嫌いだから
あまりないし
もうほとんど消してしまった

好きだって
確認してしまった

でも、
わたしを大事にしてくれない人とは
一緒にいられない
いたくない

早く、忘れたい…