明治の木造駅舎、坂本駅に汽笛を鳴らし別れを告げたSL人吉号は、
黒煙を吐きながら山間の集落の小さな橋の下をくぐりぬけて走ります。
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球磨川がうねっている所に赤い深水橋とその向こうに赤い屋根が見えました。
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レンガ造りの旧深水発電所です。
大正10年に製紙工場に電力を送るために作られた発電所跡です。
桜の咲く頃に沿岸の桜を眺めていると勢いよく水を噴き出していたので
目印になって発電所だと判ったのですが
先程後ろを通っていたようですが気がつきませんでした。

一番前の展望席から外の景色を楽しんでいると
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車掌さんが、もうじき運が良ければ新幹線が通るのが見えるのですが…と教えに来てくれました。
SLも速度を落としています。橋にじっと眼を凝らしていると・・・あっ、来ました。
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慌ててカメラを向けたので、うっすらですが男性の頭の上付近に
橋の上を進みトンネルに入る前の新幹線が見えますでしょうか?一瞬で通り過ぎました。
機関室の方を見ると、機関士さんが身を乗り出しておられましたので手を振ってみると
こちらが見えたようで機関士さんも手を振ってくれました。
真っ赤に燃えあがった炉のそばで石炭をくべながらと言えども、今日はとっても寒い日です。
吹きさらしの機関室は、寒いんだろうなと思いました。

夕暮れも近い肥薩おれんじ鉄道の鉄橋を眺め
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おれんじ鉄道のレールを並走し、しばらく行くと肥薩線〇地点八代駅に着きます。
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製紙工場独特の匂いが懐かしいです。
以前はもっと匂いがきつく、駅に入る前で八代だと判ったものです。
「鮎屋三代」の駅弁を買おうと思っていた事を後で気がつきました。
この辺でリポビタンの効き目も切れかかっているようです。
次は九州新幹線の出発地、新八代駅に到着です。
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新幹線とSLの新旧交錯する駅です。親子で手を振る姿が見えました。
新八代駅を出発すると夕陽を背に新幹線が見えました。
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SLの車体には小倉工場で回修されたプレートが見えます。
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矢岳駅に眠っていた86が昭和62年SLあそボーイに生まれ変わる時のプレートです。

夕暮れを迎え、SL人吉号も熊本駅に向かってひた走ります。
展望車の窓が寒さで曇り始めました。さあ、もう少しで旅も終わりです。
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吹きさらしの機関室はさぞや寒い事でしょう。
車掌さんが、最後の挨拶に各車両に来られました。
乗車への挨拶と、それからちびっ子のみんなには帰ったらお父さんお母さんに
SL人吉に乗せてくれてありがとうとお礼を言ってくださいね。と言われ
みんなも感激して拍手が起きました。

指定席に戻ると、相席のみなさんと車掌さんの挨拶良かったね~と讃えあい
熊本に着いたら、旦那さんにも感謝してください、と言われました。
これから大阪の家に着くのが10時半になると言う事です。
日本三大車窓の2つにこの2か月で行かれ
旅が好きでいろいろ廻っていらっしゃって、鉄道のことにも凄く詳しいのです。
他のSLには興味ないの?と質問され
SLやまぐち、ばんえつ鉄道にも乗ってみたいな、と思っているんですと答えると
「行かなきゃ!」と言われました。
思っているだけじゃダメよ、行かなきゃ!行動を起こすのよ!夢は見るものではなく叶えるものよ!
と言われたようで、すごく私の心に響いた言葉でした。

寝台特急が熊本駅車両基地に停まっているのが見えた頃
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豊肥本線を「あそ1962号」が並走しますので、手を振ってくださいとアナウンスが。
窓の外をみんなで見ていると、あそ1962号が入ってきました。
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見入っていると、最後尾の窓に何かが・・・
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「WE❤SLひとよし号」と書かれたボードを掲げてくれた一行がありました。
車内からも、うわ~っと歓声が上がりました。
何という、すごいサプライズ!
SL人吉号の牽引車は、SLあそボーイとして阿蘇を走っていたのですから
兄弟分とも元恋人とも言えます。熱烈なプロポーズをされてしまいました。
熊本駅で待ってるかな?と見ていましたが、他の車両の陰で見えなくなってしまったようです。
こんなふうにすごい余韻を残して、熊本駅に着きました。
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SL人吉号もディーゼル車に牽引されて、老体を休めるべく機関庫へと連れて行かれたのでした。
私の小さな旅も終わりました。
うさぺー父ちゃんの車にピックアップしてもらい、
ありがとう!面白かったよ!と感謝の言葉を掛け一路人吉へと帰ったのでした。