高良健吾主演の映画「アンダー・ユア・ベッド」を旧作のDVDでGEOから借りてきて拝見しました。

 

 

  

大河ドラマでの農民出身の武士役の高良さんも爽やかですが、私はやはり、「罪と罰 A Falsified Romance」なんかででも見た、ダークで内向的で「ヤバいやつ」な高良さんが好き。15歳未満貸出禁止。2019年7月に公開された作品ですが、ずっと借りたい借りたいと思いつつ、作品のマイナーさに何となく手が出ないでいました。

 

誰からも顧みられない男が、笑顔を向けて名前を呼んでくれた唯一の大学時代の同級生の女の子に異常で切ない執着心を抱くところから始まるストーリー。社会人になってから、DVを受けながら結婚生活を送る彼女を向かいの自宅から監視し、さらに接点を持って、合鍵作り、ベッドの下にて潜む……。

 

純度100パーセントの凶愛。

 

そして最後は全てを終わらせて、彼女に捧ぐ。「どうか幸せに」

 

顧みられない男がどこへ向かうのか。思い遣りを得られない人間がどうやって幸せをつかめばいいのか。

 

人から適切な関心をもらえない人が向かう方角には何があるか。

「他人の都合を無視して干渉する」

「他人を攻撃する」

そして「他人のためになって相手にも自分のためになってほしいと願う」

案外最初の二つが多い気がします。関りと触れ合いがあれば満足できる……というわけには多分いかないんですがね。

最後の一つは自然に適度に行えたら素敵なんですけれど、それまでの人間関係が歪だったら、上手くやれないことも多いでしょう。

やたらな親切が「キモイ」って言われそう。

 

とにかく不器用に育った人間は生き辛いし、節度もきちんと身についていないかもしれません。

 

そういう人間に親切にしたいかというと、正直、私は「NO」です。理由は簡単。「過度な執着を持たれるから」「距離感を知らないから」

 

まあ、そんな私の薄情な考え方はとにかく、高良健吾はそれでも美しいです。求めるような目が潤んでいてきれいで美しいです。

 

ぎりぎりのところにいる・・・・・・どころか臨界点を超えちゃった人間から溢れ出る「人間」を見てください。

 

 

 

 

また、原作は大石圭さんが書いた角川ホラー文庫の映画と同タイトルの小説。いつも思うのですが、「ホラー小説」って超常現象とかお化けだけのくくりにならないんですね。