「私の仕事は最高の人材に最高に仕事を与えること、そしてその資格のあるところに最高の資金調達をすること、それだけだ。私の考え方をきちんと伝えて経営資源を的確に配分し、そのあとは任せてしまう。」

優秀な事業者は、事業を管理しない。というのがウェルチの信念なのだ。管理というのは適切な言葉ではないようだ。「私はGEを管理しているのではない。GEを指導しているのだ。」

管理者は全く管理すべきではないと言うつもりでは決してない。管理者に伝えようとしている真意はこういうことだ。管理し過ぎてはまり込むな。管理するならビジョンを策定せよ。そして部下がそのビジョンのもとに確実に動くようにする。それだけでいい。なんと言おうと、ビジネスなど実際に複雑なものではない。だから指導して引っ張ること。管理してはいけない。必ず仕事を任せて干渉しないことだ。


目標設定をするときに、いつも気になるのが目標だけを気にしすぎる人がいるという点。口すっぱくして言うのが、

「目標よりも重要なのは、ミッションなんだ。会社のミッション、その本部の会社のミッション、そのグループの会社のミッションを達成するのが最も重要なんだ。目標というのは、単に短期的な戦略を実行するうえでの結果指標に過ぎない。ミッションを達成するためのメジャメント指標としての目標であって、目標がひとりあるきして、ミッションを達成しないような目標達成になってしまっては本転倒だ。」

ミッションと目標の違いを判ってもらわないと、どうしても細かい指標を管理しなくちゃいけなくなる。でもミッションを共有して判っていると、自分で考えて決めることが出来るようになる。

だからこそ、管理者ではなく、ミッションを共有するリーダーを育てていくことが重要。管理という仕事を増やすことには全く意味が無いのだから。