写真データを遡って見ていたら、
懐かしい一枚が出てきた。
随分前の写真。
決して上手ではないけど、
太陽に透ける葉の緑色とか、
目を奪うピンクの鮮やかさとか、
木の生き生きとした瞬間と、
この木を見つけた時の喜びが
ぎゅっ、とつまっている一枚。
最近の私は、見映えとか、どう思われるだろうかとか
そういうのを、いつの間にか
気にして撮るようになっている。
この時の写真には、それがない。
この日の、この枝の、
葉と花と、そして木漏れ日が美しくて、
それが嬉しかった。
ずっと悩んで苦しかったことから
少しずつ前に進めるようになって、
そういう気持ちになれて、
上を向いて歩けるようになって、
そして見つけた景色。
記憶に残したかった。
この写真を見て、一緒にキレイだね、
と言葉を交わしたくて、ただそれだけだった。
今の私の写真、
写真の向こうの
写真を見てくれた人の
心が温かくなるだろうか?
心が穏やかになるだろうか?
これから撮る写真、一枚一枚に、
私は思いを込めていこうと思う。