うさこの事務所HPかわらばん3月号アップしました

 

本号のテーマは、

①あっという間にもう3月

②外国人との不動産取引

です

 

司法書士・不動産辻事務所

相続の相談

 

 

~ あっという間にもう3月 ~

 

 寒さにちじこまっているうちに、はや3月になってしまいました。毎年、確定申告が終わるころになり、ようやく春の訪れを感じる余裕がでてくるのですが、ゆっくりと味わう間もなく、スギ花粉との闘いが始まります。

 あたたかい春の風を思う存分満喫したいのに、マスクを通して恐る恐る吸う空気は、頭をぼんやりさせます。

 この季節、北原は花粉との闘いに早々と敗れ、山歩きに行けないため、辻は一人で山歩きに出かけています。どなたか山に誘ってやってください。

 

~ 外国人との不動産取引 ~

 

 新年度を前に、賃貸物件の入居契約が一年でもっとも多い時期になりました。近年では、日本に住む外国人が不動産を賃借する機会も多く、銀行で不動産担保ローンの申し込みをしている外国人の姿も、しばしば目にします。

 また、投資用の不動産物件をお持ちの方が、外国人に物件を賃貸する機会も徐々に増えているようです。

 本号では、外国人を借主とする建物賃貸借契約について考察します。

 日本語があまり通じない外国人には、物件の下見の際や契約締結時、できるかぎり通訳をしてくれる友人にも同行してもらうようお願いし、必ず身元確認書類を持参してもらいます。パスポートを確認し、運転免許証がなければ、会社の社員証や学生証などでも確認します。短期滞在ではない外国人は、在留カードを所持しており、健康保険証や年金手帳も付与されているはずですので、写真付きの身分証明書がなければ、これらの写しをあわせて受領します。

 外国人だということのみを理由とした賃貸借契約締結の拒否は認められません。ほかに合理的理由がなく、単に外国人だという理由のみで賃貸借契約締結を拒否されたことにより、人格的利益を毀損されたとして、損害賠償請求を認めた下級審の裁判例もあります。

 (公)全国宅地建物取引業協会連合会では、外国人に対し、日本での賃貸借契約における敷金・礼金の制度をはじめ、保証人の必要性や部屋の使用方法などを説明したガイドブックを、英語版、中国語版、韓国語版、ベトナム語版、スペイン語版、ポルトガル語版にして公表しています。また、国土交通省の「あんしん賃貸支援事業と外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」にも、英語版、中国語版、韓国語版、スペイン語版、ポルトガル語版があるようですが、平成22年以降の法改正等に対応していないため、若干修正が必要とのことです。

上記の外国語版を利用し、外国人には、できるかぎり筆談をふくめ、文書で確認してもらうよう努めましょう。保証人となりうる者がいない場合には、保証会社を利用することになります。

 また、打ち合わせの結果、契約時の重要事項説明に通訳を介する必要があると判断したときは、後日のトラブルを避けるため、通訳を介することに関する委任状を作成して、本人のサインをもらうほか、通訳にも、重要事項説明書や契約書などの書類にサインをしてもらうとよいでしょう。

 

発行:司法書士・宅地建物取引士 辻事務所 北原理子  2018.3 vol.37