うさこの事務所HPかわらばん11月号アップしました

本号のテーマは

①金魚に仲間が増えました

②実家の居住用財産の譲渡時期

です。

 

司法書士・不動産 辻事務所

相続の相談

 

 

~ 金魚に仲間が増えました ~

 

  我が家で金魚を飼い始めてから、数年が経ちました。これまで何度もメンバー交代があったのですが、今月初め、あらたに5匹のベビー金魚を飼い始め、合計9匹になりました。それぞれに名前をつけて、毎日話しかけています。

 いまのところ、みんな仲良くやっています。新入社員が入ってきたり、転勤があったりするのと同じで、古株の金魚たちにも新株のベビー金魚たちにもストレスがかかるので、体調が心配です。

 この季節は、寒さに体がついていかず、体調をくずしやすいので、皆様もご自愛ください。

 

 

 

~ 実家の居住用財産の譲渡時期 ~

 

 高齢になり、これまで実家に暮らしていた両親が老人ホーム等に入居し、実家が空き家になっているケースは、全国的に多くみられ、その処分に悩んでいらっしゃる方も多いと思います。本号では、実家を相続前に処分する場合と相続後に処分する場合に、それぞれで適用が可能な税務上の特例を見ていきたいと思います。

(事例)

 父はすでに他界し、父名義だった一戸建ての実家は、現在、母名義になっています。子供は長男ひとりで、結婚当初から両親とは同居せず、10年以上前から借家に妻と暮らしています。息子夫婦とも不動産は持っていません。

(相続前に譲渡する場合)

 自宅を居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末までに売却し、適用要件を満たすときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円を控除できるという特例があり、この特例は、母が自宅から老人ホームに入居した場合にも適用が可能です。

 また、自宅を居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末までに売却し、適用要件を満たすときは、6,000万円以下の課税譲渡所得金額に対し、14.21%の税率を適用することができるという特例もあり、この特例も、母が自宅から老人ホームに入居した場合にも適用が可能です。

したがって、老人ホームへの入居後、母に認知症などの症状が出ないうちに、すみやかに、居住用財産の処分をすすめるのがよいでしょう。

 なお、認知症などの症状がある場合には、成年後見人を選任のうえ、居住用財産の売却につき、裁判所の許可を得なければなりません。

 

(相続後に譲渡する場合)

 被相続人に配偶者や同居していた法定相続人がいない場合、相続開始前3年以内に、本人または本人の配偶者の所有する家屋に居住したことがない親族が取得し、申告期限まで引き続きその宅地を有していたときは、宅地の330㎡を限度に80%の減額が適用できるという特例があり、この特例は、母が自宅から老人ホームに入居した場合にも適用が可能です。

 なお、被相続人居住用財産を売って、適用条件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができるという「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」は、母が老人ホームに入居した場合には適用できません。

 

 母の有する居住用財産、その他の財産の金額によって、相続前後で譲渡税や相続税の支払額が変わります。居住用財産をお持ちの方の相続時には、ほとんどの場合、税金が課せられます。特例を利用して、節税を考えてみてはいかがでしょうか。

 

2017.11 vol.36