源三    愛桜 に 美柳  ってええ名前つけてもろたな
 
愛桜    本当 にミミさんには感謝しかありませんよ
 
美柳    私達みたいな 島娘が舞妓になれるって 夢のようですよ
 
源三    お母ちゃんが 知ったらビックリするで
 
愛桜    でも はなさんの息子さんの名前 可哀想ですよ
 
源三    大体が ここはええ加減やから仕方ない いうたところで仕方ないし
 
美柳    お父さん と お母さん も合わせたら 
 
                  ボスカンって缶コーヒーみたいですし
 
うさ子   屁ぇ こいて 肛門の病気になった 兄弟じゃ
 
ミミ    あんたー ダメ押ししたらあかんでしょ
 
ごま    そうですよ  何 考えているのです
 
はな        こいつのこっちゃ  何も考えているかいな
 
うさ      ほな 今から  化学屁ィ器 の訓練するで
 
ミミ    うささん  それもダメです
 
うさ子   あれも あかん  これも あかんじゃ  どうしたらええんじゃ
 
ミミ      何もせんでよろしい  おとなしいしてなはれ
 
 アマテラスの悶々とした夜は明け
 
うさ子     ほな 伊勢神宮に カチ込み馳けよけ
 
ミミ      あんたー そんな脅すような事ばっかり言うから 
 
                  お姉ちゃんに嫌われるんでしょ
 
ごま    そうですよ 普通に お参りに行きましょ とか言わないと
 
うさ子   ええい 控えおろう この天叢雲剣が目に入らぬか
 
ミミ    あんたー まだ そんなもん持っていますんか
 
うさ子     しゃあ あるけぇ どこも引き取り手 無いんじゃ
 
ごま    今頃 熱田神宮に持って行ったら
 
はな    草薙の剣の偽もん騒動 起こるしな  難儀な話やな
 
源三    一番困るの 宮内庁ですよ
 
  宮内庁が困る 困らんはともかく   
 
うさ子   ええか 今日は我が出雲軍は伊勢神宮に討ち入るんじゃ
 
うさ    ただの 姉弟喧嘩と違いまんのか
 
  ええー  えらいこっちゃ やっぱりスサノオ 攻めて来る言うてるやん
 
ごま      そんな事したら アマテラス 天の岩戸 に閉じ籠るだけでしょ
 
うさ      わしが天の岩戸に弾頭ブチ込んで爆破したりまひょか
 
うさ子     うさ子様が日本神話を現実にしたるわい どころか 書き換えたるわい
 
ミミ    あんた そんなアホな事ばっかり言いなはんな
 
 と アホウな閣僚会議もほどほどに   
 
   で VISTA  CAR は 伊勢市駅へと
 
れおん     ありゃ 何で伊勢市ですの
 
ミミ    どうせ オッサンの事ですから 女 目当てでしょ
 
オッサン    アホー ちゃうわい 理由があるんやわい
 
 
うさ子    ほな 神都電車で 外宮へ参りに行こうかい
 
 神都(しんと)電車とは 伊勢市を起点として 外宮  内宮  二見への路線を     有していた三重交通の路面電車です (軌間は1067) 1961年 廃止
  
 伊勢神宮へ お参りをするには まず外宮からお参りするのが正しいお参りです
 ここ伊勢神宮外宮には 豊受大御神 が祀られています
 
 伊勢神宮外宮の祭神 豊受大御神を丹波の国から渡会の山田の原にお迎えしたのは
 内宮の 天照大御神の食事を調えるためでした
 
 御饌都神(みけつかみ)として神の食事(御饌)を司る豊受大御神は 
   五穀豊穣を呼び込む神でもあるのです  さらに衣と住にも神徳があります
 
うさ       ありゃ ここの祭神 丹波の国 出身でっせ
 
オッサン     ホンマじゃわしの先祖と一緒やがな  つう事は
 
ミミ       あんた また何 アホな事 考えていますんや
 
うさ子      わしゃ アホじゃ そこまで考えてないわい
 
ごま       でも丹波といえば お米もだけど 
 
                   黒豆 栗 松茸 とか美味しいのでしょ
 
はな       ぼたん鍋も ええで
 
うさ       と いう事はでっせ 伊勢湾の魚どころか  松茸 しし でっせ
 
うさ子    ええもん喰うとるのう  御相伴にあずかるとするか
 
ごま     ミミさん また罰当たりな事ばっかり言うてますよ
 
ミミ    あいつら神様の食事って 
 
                  よっぽど美味しい物が出るって勘違いしているのですよ
 
愛桜    そうでしょ 天皇陛下でさえ普段は質素倹約なんでしょ
 
美柳    本当に 頭が下がりますね
 
屁次郎     お兄ちゃん 最近僕達の扱い悪くありません
 
屁太郎     れおんさんと源三さんもそうですよ
 
源三    余計な事は言わない方がいいですよ
 
れおん     いずれ恐い目に遭いますから  その時は
 
源三    嫌と言うほど出れますよ
 
はな      これはこれで 難儀は話やねんで
 
ミミ    難儀は難儀で良しとして  ここで 神の食事(御饌)を説明します
 
                  御饌  みけ と読みます
 
    日別朝夕大御饌祭  ひごとあさゆうおおみけさい  
    一年 365日 天照大御神などに 朝夕の食事をご用意する儀式です
            また 1500年も続くと言われる外宮だけの祭事です
    外宮では現在でも伝統的な手法により 御饌 を用意し神様に捧げています
       
                 では長くなりますが 今回は 御饌について わたくしの知識の範囲で
   
      出来うる限り お伝え致します
 
      まず 御饌に使う食材ですが 基本的には 自給自足です
 
うさ子   何じゃ 丹波の 栗 とか 松茸は無いのか
 
うさ      栗やら松茸は 秋でっせ まだ春でんがな
 
ごま      おねえちゃん さっき自給自足って説明があったばかりでしょ
 
うさ      自給自足 って何でんねん 師匠
 
うさ子     わしに聞かれても 解かる訳ないやろ
 
れおん     やっぱり そんなとこですか
 
ミミ    アホは相手にしないでおきましょう
 
      米は領地内の神田(しんでん)で 野菜と果物は御園で栽培しています
 
      また祭具に使用する土器も専用の土器調製所で作っています
 
      そして調理にもっとも大切な水は 御陵水と呼ばれる外宮の境内にある
 
      上御井神社で 毎朝 神職が水を汲み上げてきます
 
      「上御井」(かみみい)とは神に供える水を汲む井戸の事をいうのです
 
       また調味料として一番重要な塩は 御塩(みしお)と呼ばれるもので
 
       伊勢市二見町にある 御塩浜で作られる堅塩です
 
      7月末から8月にかけての土用の約1週間に濃い塩水を採取して       
 
                  御塩焼所の鉄の平釜で焚き上げて荒塩に加工します  
 
      その後 御塩殿で三角形の土器につめて焼き固めるのです
 
      そして 調理に必要なものといえば 火です
 
うさ子   京都なぞ正月の雑煮炊くにも をけら火で炊くんじゃろ
 
ミミ    そうです をけら参りで頂いた火で元旦のお雑煮を炊くのです
 
うさ      今迄その をけら火 で騒動の連発でしたがな
 
うさ子   そうじゃ 何年か前 元旦に伊勢神宮に参った時も 正月はどうしても
 
      をけら火で焚いた雑煮喰わなあかん言われて
 
れおん     一日炊いてクタクタの雑煮 食べに京都に帰りましたよ
 
うさ      れおん も 源三 も知らんが 
 
      うさっ娘漫遊記鉄道唱歌の旅 年越しスペシャル 
 
                   2007/2008 1  でのう
 
 
                        -----------  回想録 ---------       
 
                                            (2008/ 1/ 1 の記事より抜粋)

       続いて一行が訪れたのは 八坂神社 
 
         をけら参り で有名な 八坂さん 京都では八坂さんで貰った
         をけら火で元日の雑煮を炊く風習がありますね
         ミミちゃんも京娘なもので 当然 をけら火 を貰いますよね

うさ     そんな 火 回して危ないですよ

ミミ     でもね こうしないと火が消えるの 
             京の人間にとっては大事な火だから

      でも 今年は雑煮焚きまへんで  絶対その火が元で何か・・・・・

はな      あつーーー  誰じゃぁ ケツに やいと したんは

ミミ      あー 神聖な火が はなえもん のケツに付いてもた

はな      うるさいわ 今年も新年早々ロクな事ないわ

うさ      あそこの軽率官 見覚えありません

うさ子     忘れもせんわ あのボケ トラ箱 入れやがって

うさ      今やったら 300kmで走れるし 証拠 出ませんで

うさ子     せっかく京都きてんや 京都の人にも お年玉あげんとな

はな      このバカタレ火ィなんかまわしやがって

ミミ      何よ おしりのやいとの ひとつやふたつ

       なによ なんじゃい わー ぎゃー ぷうー  えっ ぷうー って
       とかなんとか してるうちに ミミの手から をけら火 が  無い

うさ      師匠 なんか シュウー って音してません

うさ子     あ”-  をけら火がー ミサイルの導火線に えらいこちゃ

うさ        あーあ 飛んで行きましたよ

ミミ        ごめんね 東山

はな          京都の娘が京都を     南無阿弥陀仏

ミミ      何 ゆうてますのん 
         
                           元はと云えば あんたの 汚いケツが原因でしょ 
 
 
ごま      えー 正月早々 東山 ぶっ飛ばしましたの
 
うさ子     正確にはのう 京都市東山区  といえば 祇園界隈じゃ
 
うさ      この時も この後 30000系 VISTA CARで 
 
                   お伊勢さんへ参りましたがな
 
はな       懐かしい話やな 
 
美柳       それで 先程の 火の話はどうなりましたの
 
 
ミミ       宮中では清浄な忌火 (いみび) だけを使用します
 
         御火鑽具 (みひきりぐ) を使って木と木をこすり合わせ
 
                   摩擦熱で忌火を発火させます
 
         前日から潔斎していた神職が忌火屋殿に向い 
 
                   御火鑽具を使い清浄な忌火を鑽り出し
 
         その火を かまどに移し 米をじっくりと蒸し上げるのです
 
       神の食事 御饌 にも伊勢湾で獲れる海産物は 供されます
 
         神饌 (しんせん)  には 生のままの 生饌(なません)と調理された
 
         熟饌 (じゅくせん)があり 神饌を調製 干物などにするところです
 
        御料調製所といい 愛知県の篠島には 
 
                  御料日鯛調製所 があり鯛の日干しを
 
                  鳥羽市国崎町にある 御料鰒調製所では 
 
                  伊勢の鰒(あわび)を調製しています
 
        神嘗祭や月次祭の折 
 
                  神前に捧げられる干鯛は 御料日鯛調製所で調製されます
 
        では 御饌  神様の食事はどのようなものか ご説明します
 
       御水  上御井神社で汲んだ清らかな水です
 
           横瓶 よこべ という水差に移してから 椀に注ぎます
 
         清酒三献  専用の土器の器に専用の土器の神酒壺から清酒を注ぎます
 
         御飯三盛  うるち米をかまどで蒸し上げた 強飯 (こわめし)
              
          魚類    冬場は生の鯛  夏場はカマスやムツアジの干物 スルメ
 
        御塩    三角錐の形に焼き固めた堅塩 二見の御塩殿で作られます
 
        乾鰹    カツオブシの本節        
 
                         朝御饌は 背の部分  夕御饌は 腹の部分を使う習慣があります
 
        果物   りんご みかん 桃 梨 苺 葡萄 などの季節の果物です
 
        海藻類   昆布やひじきなどです
 
        野菜    大根 人参 白菜 ほうれん草などの野菜を
 
                                    朝夕 違ったものを出します
 
        これが 神様の食事  御饌です
 
 
うさ子    何じゃい 焼肉はないんかいな
 
うさ     こんなんじゃ パワーつきまへんで
 
うさ子    そうじゃろ 戦争に負けたんも肉を喰わんかったかららしいからのう
 
うさ     力は肉なり  POWER  OF  MEET  でっせ
 
うさ子    豊やんも 丹波人やし せめて猪ぐらい 捌いたれよ 
 
源三     また そんな事ばっかり言って ミミさんに怒られますよ
 
ミミ     もう 怒る気力も失せて来ました
 
       御饌は檜の折櫃に収められ 御饌殿へと運ばれます
 
       御饌殿では 天照大神 豊受大御神を始めとする神々がお食事をされる
 
                   のです
 
       神職はその間 御饌殿の外で 八度拝を繰り返し 
 
                   お食事が終わるのを待ちます
 
       お供えした御饌は 祭事の後 神様のお下がりとして神職が頂くのです
 
       この儀式は 1500年以上も 
 
                   伊勢神宮外宮では 朝夕 毎日執り行われています
 
ごま     毎日が良い天気ではないのに 
 
                   1500年以上も続いているとは驚きですよ
 
愛桜     ミミ 姉さんって 本当に博学ですね
 
ミミ     色々な方と お付き合いがありますから 知識は増えますよ
 
うさ子    爆弾 や 毒ガスの知識も豊富じゃしのう
 
ごま       ミミさん これからは付き合う相手選ばないといけませんね
 
ミミ     そうですね 
 
                   愛桜さん 美柳さん には近づけないようにしないといけませんよ
 
うさ     ほな 師匠 わし等は 屁こき兄弟でんな
 
うさ子    うさが立派な聖戦士にしたり お母ちゃんも喜ぶわい
 
はな     おばはん 宜しくお願い致します って  誰がそんな事言うかいな
 
  では ここで伊勢参りにまつわる  あれやこれや でっせ
 
れおん      普通は えとせとら って言うんでしょ
 
源三     ここは 普通とは違いますし
 
うさ子    ほにゃ いくでぇ
 
  まずは 江戸時代に大流行した 「おかげ参り」
 
♬ ♬ ♬  ええじゃないか  ええじゃないか  ええじゃないか
 
       あー こりゃ こりゃ
 
 十返舎一九の 「東海道中膝栗毛」 はみなさんご存知でしょう
 当時の江戸の庶民の夢は 一生に一度 お伊勢さんに詣でたい でした
 
 江戸の庶民をとりこにした 伊勢神宮への参拝
 伊勢神宮の 「おかげ」 や 「ご利益」 を得ることから 「おかげ参り」 と     呼ばれ
 
 生きているうちに 一度は伊勢神宮に参らんといかんわい
 
 と 江戸の庶民にとっては 伊勢神宮に参るのは 夢であったのです
 
 何日もかけて 伊勢路をたどったのですが  皆が皆 行けまへん
 
源三    歩くから 交通費はともかく 旅籠代がかかるでしょう
 
       でも今なら
 
うさ      新幹線で名古屋まで行って 伊勢志摩ライナー であっと言う間でっせ
 
れおん     爆弾なら 日帰りも出来ますから
 
 新幹線の恩恵は 本当に凄い物があります
 
 で 裕福な商人は 皆で浴衣を誂え 
   三味を奏でながら お伊勢さんへ華々しく向かった が
 じぇにこ のにゃあ 長屋の住人は 希望者で 伊勢講を作り くじ引きで
 
 ありゃあ 今年も スカ やがな
 
 と いつか当たるのを夢見て いつの日か 「お伊勢さんに行くんじゃ」
 と淡い希望を
 
うさ子   宝くじ と一緒じゃ 夢を持って生きていくわい
 
 さてさて お参りをすませば 「ええじゃないか」
 
うさ     師匠 一体じぇんたい 何がよろしおまんねん
 
  庶民は参拝を終えた途端
 
オッサン     精進落としじゃ  遊郭へ繰り出すぞ
 
うさ子   オッサン わりゃアホかい お前など年中 精進落とし やっとるがな
 
オッサン    今はもうしとらん
 
 遊女が躍る賑やかな「伊勢音頭」 も旅人の口伝で全国に伝播し
 このような乱痴気騒ぎが 幕末に近畿や四国 東海地方で庶民が躍り狂ったという
  「ええじゃないか騒動」の遠因だとする説もあるそうです
 
 近鉄は 遊郭を作った鉄道としても知られています
 
うさ      師匠 それって何処でんねん
 
うさ子   わしの お婆が芸者の置屋をしとった 今里じゃ
 
      あの戦争がなけりゃ わしゃ今頃 芸者に囲まれ チントンシャンじゃ
 
ごま    また アホな事ばっかりほざいていますよ
 
ミミ    あんなのは 放っておいていいです 
 
 また 三音家浅丸 さんの 河内音頭 「悪名」 朝吉喧嘩鳥 にも
 
 朝吉   オイ辰  シャモの喧嘩もええけど  
                  伊勢参りせんと男と違うで伊勢参りは 男の元服や
 
 辰      朝やん その元服ちゅうたら何んや
 
 朝吉   知らんのけ 昔から伊勢参りに行って女郎買うて一人前になるこっちゃ
      サァー 村雲や千鳥をさそうて元気よう行こうぜ
 
  ♬ ♬ ♬  河内男の気の合った
         若い連中が集まって
         お伊勢参りに花が咲く
 
    (河内音頭 長いので省略)
 
辰      ナァ 朝やん 伊勢参りもすんだ
       古市で女郎買いするんけ
 
朝吉     いや 大阪へ行こう  松島に行ってみい
       ええ女 ぎょうさんおるで  サァ 行こう  
                   皆 汽車に乗った 乗った
 
  ♬ ♬ ♬  朝吉のぞいて三人は    
         酒が五体に音たてて
         流れて若い血  脈打った   
         呑む程  酔う程燃えてくる
         ご先祖様は有難い  
         これで男になれるのだ
         河内平野のならいといえど
         女郎買いすれば一人前
         一本立ちとはよう云うた 
 
 と 伊勢参りと 男女関係について唄になっています
   当時の汽車とは 参宮線 関西本線の事で 関西本線の終点 湊町 で降りれば
 大阪の遊郭の一つである 松島新地 は目と鼻の先 なのです
 また この松島は 映画「悪名」の舞台ともなりました  
 
うさ      日本の神さんは 子造りが好きなんでっしゃろ
 
うさ子   まっ 確かに 素戔嗚尊の八岐大蛇退治も 動機は不純だったからのう
 
ミミ    そうです 神代の昔から 男は 女が好きだったのです
 
      神様自体 女好きだったのです これは自然の摂理なのです
 
        
 外宮に来たのならば 素戔嗚尊の兄である 月読  月夜見尊を祀っている別宮
 月夜見宮  つくよみのみや  へもお参りします
 
   お兄ちゃん 久し振りやな 僕やで 可愛い弟の 素戔嗚尊やで
 
   なにょう  素戔嗚尊やと  今頃 何しにきてん
 
   今から お姉ちゃんに逢いに行くんやけど 一緒に行かへんか
 
   素戔嗚尊  キッパリと 断る  揉め事に巻き込まれるのは 嫌じゃい
 
うさ      兄のくせに 冷たい対応でんな
 
ミミ      当たり前でしょ 誰が好き好んで 火中の栗を拾いに行くんですか
 
うさ    神 どうしまっか こんな冷たい兄  家族崩壊の元凶でっせ
 
   あ あ あいつ 何余計な事を 吹き込んでるんや
 
うさ子    うさよ チト耳貸してみ
 
うさ       ほな  屁太郎にやらせまっさ
 
うさ     屁太郎 チトこっちゃ来い
 
屁太郎      はいっ 何ですか
 
うさ     これな ほんの気持ちや言うて お供えしておいで
 
屁次郎      美味しそうな 饅頭ですよ
 
屁太郎      まる屁製菓 ですか 変わった名前ですね
 
うさ     もう 行くよって 早よ行ってき
 
屁太郎      じゃあ 行ってきます
 
  さて この饅頭は
 
うさ子    時限クサりん じゃ 爆弾やと またミミにこってり絞られるからのう
 
  どっちにしても こんなのをお供えされた 兄者は大迷惑です
 
うさ     ほな 内宮に行きまひょか
 
うさ子      そうじゃのう お姉ちゃんも待っているしのう
 
ミミ     完全武装して 手ぐすね引いて待っているでしょ
 
  伊勢市からは 宇治山田  そして目指すは
 
 長らくのご乗車 お疲れ様でございました
 電車は間もなく 五十鈴川内宮前に到着致します
 伊勢神宮内宮にお参りのお客様は 当駅にて お降り下さい
 
 五十鈴川内宮前でございます  お降りのお客様は お忘れ物無きよう
 今一度 ご確認をお願い致します
 
 本日は 近鉄特急をご利用頂き 誠に有難う御座いました
 またのご利用を 心よりお待ち致しております
 
うさ      しかし えらい丁寧な案内でっせ
 
はな      うるさい 河内もん 運んでるから気ィ 使てるんやろ
 
ミミ      ちょっとの事で すぐにヤカりますから 近鉄も可哀想ですよ
 
うさ子     そやけど オッサン今は近鉄 使てないし変な奴は一人減ったやろ
 
ごま    その分 JR西 が難儀 こいてるらしいですよ
 
  JR西 が難儀こいてる こいてんはさておいて
 
うさ子      ほな 久し振りの 内宮じゃ しっかりお参りせんとな
 
ごま      正月にも来たでしょ
 
屁太郎     餅屋の おっちゃん が一番可哀想な気がするんですけど
 
ミミ      確かに 今回は立て続けに 餌食にされましたからね
 
うさ子     季節外れの 草餅かい
 
うさ      もしもし 保健所ですか
 
ごま      ちょっと お姉ちゃん 何処に電話していますの
 
うさ      出雲市保健所やないか  
 
                    あんこ ならぬ うんこ蕎麦 喰わせよったやろ 
 
ミミ      ちょっと うささんまで そんな紛らわしい事したらあきまへんで
 
  江戸の庶民は お伊勢さんへ詣でるのは 夢の一つでしたが 
      大阪では小学生でさえ
 
屁次郎       修学旅行や臨海学校 で伊勢には来ますよ
 
ミミ      時代が違うでしょ
 
オッサン    伊勢参りは 男の元服じゃ
 
ミミ      あんたは ややこしいから出てきなはんな
 
 
  ♬ ♬ ♬  ええじゃないか ええじゃないか ほいさっさ
 
         伊勢の名物   精進落としは  ええじゃないか
 
 
  五十鈴川内宮前 からは 優しい姉  天照大御神 が
 
うさ     完全武装して 待っているそうでっせ
 
うさ子    ほな こっちも迎撃態勢を整えんとな
 
うさ     化学屁ィ器弾頭 に 核弾頭 何でもおまっせ
 
ミミ       しかし オッサンもようこんな罰当たりな事 ばっかり考えまんな
 
ごま       そうですよ 高天原で核弾頭や 化学屁ィ器を使うなんて
 
うさ子    わしが 日本神話 の主人公になったるんじゃ
 
うさ       師匠 わしも頼んまっせ 
 
 
  神をも恐れぬ 狼藉師弟は万全の臨戦態勢で 伊勢神宮内宮へ カチ込みに
 
うさ子    お姉ちゃん 美味しい お酒と 食事 用意しといてな
 
ミミ     あんたー いつまでも訳の解らん事 言うてたらあきまへんで
 
ごま     お姉ちゃんも しまいに罰 当たりますよ
 
うさ       当てるもんやったら当ててみい  
 
                     先に師匠の腹が当たるのが関の山じゃわい
 
ごま     もう ああ言うたらこう言うし こう言うたらああ言うし
 
源三       当たったら 当たったで 難儀するのは れおんさんでしょ
 
れおん      それはそうと こんな事ばっかり書いていてもラチ開きませんよ
 
うさ子      素戔嗚尊 率いる我が 「出雲軍」 は今から伊勢神宮に参るぞよ
 
        いざ!!!    出陣じゃぁ
 
それじゃあまた・・・・・
 
 
うさ子    ちょっと待てや  よう考えたら  素戔嗚尊 も神様やんけ
 
ミミ       あんたー  ホンマに大概にしなはれや
 
  と  やっぱりミミに怒られたのでした
 
 
それじゃあまた逢えたらいいね
 
               うさうさ うさ子