久し振りに気合の入った寒気に襲われた 上川地方
うさ ありゃあ えらい積雪でっせ
れおん 札幌より旭川はよく降りますけど こんなに降るのは珍しいですよ
うさ子 これ じぇったい悪い神の仕業じゃのう
うさ こんな 悪い神はこらしめんとあきまへんで
ごま また アホな事言うてますよ
ミミ ほっときなはれ 関わったらあきまへんで
うさ子 こりゃぁ 出てこいニッネカムイ!!!
サマイクルカムイ こと うさ子様じゃぁ
れおん 師匠が ニッネカムイそのものですやん
はな こいつは 悪人そのものやがな
うさ パチリしてるもんに悪人言われたら立つ瀬おまへんがな
ミミ ええ加減にしないとヌプリカムイにしまいに怒られますよ
うさ子 その時は うさ柱 差出したるわ
うさ ミミの出番でっせ
ミミ ちょっと うささん のそっと出てきてアホな事言わんといて下さいよ
うさ子 ヌプリかアプリか知らんけど
ガタガタぬかしたら 北極星2 打ち込んだるわい
しかし 雪は降る降る 神居の街 ウサギも凍る 氷点下
うさ 師匠 これお仕置きせなあきまへんで
うさ子 そうじゃのう サマイクルカムイに逆らうとは 不届き千万な悪神じゃ
うさ ほな やりまっか
うさ子 やらいでか
ドンッ
うさ 師匠 真上に打ち上げて どうしまんねん
うさ子 こいつは 新型でのう上空で 角度を変えて ありゃ
うさ 師匠 ありゃ って どうしたんでっか
うさ子 角度が変わらんがな
うさ 宇宙に打ち込んで どうしまんねん
うさ子 そうじゃのう 宇宙じゃ 宇宙じゃ ほっとこ
ぷすっ
うさ子 何じゃ はなくそ またこいたんか
はな アホな事言いな そう何ぼも何ぼも こけるかいな
うさ子 そうか ほな 帰ろ 帰ろ
でも あのプスッは はなくその屁ぇではなく
うさ ありゃあ 師匠 何か落ちてきまっせ
はな あれ さっきのミサイルとちゃうのん
れおん あの プスッ ミサイルのエンジン止まった音とちゃいますのん
うさ と いう事は
れおん 落ちてくるのん ミサイルですよ
うさ子 あにゃ きゃん えらいこっちゃ ミサイルこっち狙とるがな
ドッカーーーン
ミミ ほれみてみなはれ 天罰が当たったんですよ
ごま 天に吐いた唾は自分に かかりますからね
豪雪地帯で白魔に挑む 除雪列車
雪煙を舞い上げ走り去る除雪列車のあとには 一条の鉄路が開けます
少々ぐらいの雪では へこたれない JR北海道
うさ 師匠 これから何処へ行きますの
うさ子 宗谷本線 除雪したらしいからのう
れおん じゃ 稚内 向いてですか
はな うち ここあんまり行きとうないわ
ミミ 過去が過去ですから 行きたくない気持ちも解らんでもありませんけど
ごま 何か よっぽどの事あったんですか
うさ わしじゃ
ごま やっぱり お姉ちゃんですか
どうせ一発では稚内まで行かせてもらえんので 名寄行きの鈍行で
宗谷本線は旭川から稚内を日本海側を走行し結んでいます
オホーツク側を音威子府から稚内へと走っていた天北線は廃線となりました
上川盆地は蘭留で終わり ここからは急勾配になります
ここから先は 勾配とカーブの連続する撮影名所です
サミットの 塩狩は標高255.5m 宗谷本線の最高地点です
塩狩峠は明治42年(1909)身を挺して列車を事故から救った鉄道員
故 長野 信夫 三浦綾子さんの小説 「塩狩峠」 の地でもあります
自らの命を捧げ乗客の命を守り殉職した 鉄道員 故 長野 信夫氏
明治42年(1904)2月28日夜
キリスト教信者であった彼は教会の祈祷会に向っていた
名寄から旭川へ向かう列車が 塩狩峠の頂上に差し掛かろうとした時の事だった
最後尾の客車の連結器が突然外れ 客車は急勾配を逆走したのです
逆走した客車は速度を上げ 脱線転覆は免れない
助けを求める乗客で車内は騒然となり大混乱となったのです
神を信じる長野はその時すでに覚悟を決めていた
思いはただ乗客の命を救う事だけ
当時の客車は今のような箱型の車体の中に扉があるのではなく
車体の前後に乗降用のデッキがある構造でした
(このような形態の客車です)
神のお導きか
その客車のデッキにハンドブレーキの装備があるのが目に入ったのです
長野はデッキに出て ブレーキを力一杯締め付けたのです
客車の速度は弱まり徐行程度にまで落ちた が 完全には停止しない
これ以上はブレーキがきかないのです このままだと 事故は免れない
長野が考え抜いた方法 それは 自らの身を挺し客車を止める
当時の事を良く知る 藤原栄吉氏の証言
そのとき長野がデッキ上から後ろを振り向き
一瞬うなづいて乗客らに別れの合図をした姿を目撃した者がいたというのです
ゴトン という衝撃とともに客車は停止したのです
長野は自らの身を挺し乗客の命を守ったのです
乗客は停止した客車の外に出て自分達が助かった事を知りました が
客車の下には自らの身を挺し乗客の命を守った 血まみれになり轢死した長野の
無惨な遺体があったのです
彼の犠牲の死を見て 感泣しない者はいなかったという
うさ子 こりゃぁ JR北海道 見とるか
組織で争いばっかりして 事故ばっかり起こすんやないわ
うさ そうでっせ JR北海道は利用者の安全なんと考えていまんねん
はな 屁ぇ とも思てないんとちゃうか
屁ぇ とも思うどころか 最強の寒波はシベリアから寒気を送り続け
そうでなくても 大雪の峠にさらに大雪を降らせ続けたのです
大雪の塩狩峠を鈍行はヘロヘロになり
うさ わっ さむぅ ほんでこの駅 和寒 というんでっかいな
ごま こんな しょうむないオチのために前振りまでしたんですか
源三 同じ事 れおんさんが言ったら 雪ダルマ の刑でしょうね
運転士 すまん 大雪でこの先進めんから ここで運転打ち切るで
燃料ももう底ついたしエンジン止めるから暖房もきかんで 悪い
うさ 師匠 何でんねんこれっ
うさ子 わしゃ 知らんわ
和寒神社
所在地 北海道上川郡和寒町字西町326
創建 昭和12年
主祭神 天照大神
春日大神
八幡大神
社殿様式 神明造
旧社格 村社
例祭日 8月25日
昭和11年秋の天皇陛下御来道行幸された聖旨奉戴記念事業として
昭和12年に社殿を御造営
昭和12年11月6日 伊勢の皇大神宮より御霊代を奉戴し鎮座祭を斎行
昭和12年12月1日 村社に列せられる
昭和14年3月17日 神饌幣帛料供進指定神社に指定される
ごま おっ さむ わっ さむ と洒落みたいなところですが
和寒の地名の由来のコーナーです
和寒は昔 輪寒 または 和寒 とも書かれていました
アイヌ語の 「ワットサム」 から転訛したもので
ニレの木の傍ら の意味です
昔 ニレの木が繁茂していたところからなづけられたものです
冬の和寒は 和寒東山スキー場 です
れおん ミミさん スキーでも行きません
ミミ えー ここでもスキー出来ますの
れおん 駅から 直ぐのところですよ ごまさんもどうです
ごま 行く 行く ごまも行きますよ
うさ 師匠 どうします こんなとこ何もおまへんで
うさ子 雪中行軍でもするか
うさ ええー このクソ寒い中 またしまんのかいな
うさ子 ええから全員集合じゃ
うさ と いうても わし と 師匠しかいてまへんで
うさ子 何じゃ 他の連中はどうしたんじゃ
うさ はなくそ も 源三も親子連れでスキーに行きよりましたで
うさ子 ほな わしらも行こか 腹減ったし 飯ぐらい食えるやろ
れおん あれっ 師匠と うささんも来ましたよ
ミミ あいつ等に ウインタースポーツなんか無縁ですのに
はな また 何か企んでいるんとちゃううんか
源三 無視されたから 可能性はありますよ
ごま とりあえず 気を付けましょ
うさ子 これはこれは 皆さんお揃いで
ミミ あんたー 何しに来たんですか
うさ子 腹減ったし 寒いし どうもこうもいかんのじゃ
うさ そうでっせ もう さむうて さむうて 凍死寸前やがな
ごま はいはい そうですか でも他の人に迷惑かけたらあきませんよ
うさ へぇ へぇ おとなしいしてまっさ
ミミ 私達はもう少し 滑ってきますから かしこうしているんですよ
うさ子 ほいほい ゆっくり楽しんでくるんやで
はな 何じゃ あいつらえらいおとなしいやん お迎え近いんとちゃうか
れおん でも こんな時は じぇったい何か おいた考えていますよ
うさ 師匠 何ぞ おいた 考えていまっしゃろ
うさ子 当たり前じゃ わしがそう簡単に引き下がると思とるんか
うさ ほな 何しまんねん
うさ子 山に爆弾叩き込んで 冬眠中の 熊 起こしたるわ
リフトで頂上まで行き裏山に絨毯爆撃したれビックリして出てきよるわ
うさ それ おもしろそうでんな やりまひょ
れおん あれっ リフトに乗ってるのん あの2ウサと違います
ごま 頂上に行って何するんでしょうね
ミミ まさか 雪崩を起こすとか
れおん とりあえず 気を付けた方がいいですよ
でも
れおん あれっ 裏山に行ったみたいですよ
ミミ 遭難したりしてね
ごま それは ないと思いますよ
ドッカーーーーーーン
ドッカーーーーーーン
れおん 裏山で 何か音しませんでした
ミミ 猟師が鉄砲でも撃ったのと違います
ごま キツネと間違えられて 撃たれたりして
猟師の鉄砲ではなく うさの絨毯攻撃 で巣を破壊され
無理矢理 冬眠から叩き起こされた 熊
子うさぎ お母ちゃん 頂上に何か一杯 現れたで
はな ホンマやな 何やろな
ボス子 あれって ひょっとしたら 熊と違います
カン えー 熊ってか
おーーい えらいこっっちゃ 熊じゃ 熊が出てきよったぞ
駆除せなあかんで 駆除せな
鉄砲隊はまだかい
可哀想なのは無理矢理 叩き起こされた 熊
おまけに 鉄砲隊まで出てくるとは
うさ子 こりゃ 熊 そこでボサっと しとるんやないわ
うさ 師匠 あの雪だまり に一発 ブチ込んで雪崩起こしまひょか
うさ子 雪崩を起こして 熊もろとも
うさ 下まで 落としまひょ ほな逝きまっせ
とりゃぁ ドッカーーーーーーン
れおん あーー 頂上で雪崩と違います
ごま く く 熊を巻き込んで こっち向いて来てますやん
はな とりあえず 逃げなあかんがな
雪崩と一緒に 熊もゴロゴロと転がり落ち ゲレンデは大慌て
ミミ あんた等 おとなしい思たら何 考えていましたんや
うさ子 わし等が何かしたんかいな
うさ そうでっせ 熊公 勝手に起きてきたんでっせ
ごま 雪崩 起こしたんは お姉ちゃんでしょ
うさ ニッネカムイ の仕業やろ
うさ子 ミミが うさ柱にならんかったから災いが起きたんやろ
ミミ あんた等 何アホな事言うてますんや
ごま こんな事 するのん お姉ちゃんしかいません
しかし 一番の被害者は無理矢理 冬眠から叩き起こされ雪崩にまで巻き込まれた
はな 熊やで おまけに駆除までされたしな
今回もゲレンデで とりあえずやらかした 悪魔の師弟
除雪列車も 到着したようで 間もなく運転が再開されるでしょう
名寄まで出れば お泊りの心配もありません
それじゃあまた逢えたらいいね
うさうさ うさ子